第7話 壊れちゃった弟(おもちゃ)
「やりすぎたかも…」
朝、いつもの様に朝食の支度をしながら昨日の事を思い出す。
もしかしたら俺はダンジョン内で脳を灼きすぎてしまったかもしれないと後悔していた。
別にシャワーから上がった後洗濯機からパンツが消えていたのはいい。ナニに使うつもりなのかは元男の俺なら分かるしなんなら揃いでブラ持っていっても目を瞑るつもりでいた。
だが総司きゅんはそれで留まらなかった。
なんかもう…すっごいのだ!アピールが!
まずあの後、少し遅めの昼食を食べた。メニューはそば。作っている時にひしひしと臀部に感じる視線に「お、目覚めちゃったかな(^^)」とかその時はにっこにこだった。
なので真横に座って一緒にそば食ってる時も彼氏がいるか、好きな人はいるかなど聞かれた時も、独占欲出ちゃったかな(^^)くらいにしか思ってなかった。
だが問題は夕食と就寝前だ。
あの後稽古を終えたじじいと3人、いつもの様に飯を食っていたがまぁ総司きゅんが俺にしゃべりかけてくるのなんの。
しまいにはじじいに「総司!飯も食わずペラペラと柚希に構うな!わしの横で食え!」って怒鳴られて無理やり俺の正面に座らされた。が、問題はこの後だ。
なんと総司きゅんはテーブルの下で足を絡めて来たのだ!その時俺が短パン履いてたのも不味かったのだろう…すりすりと足指でこすりながらまるで俺の反応を伺う様に飯を食う総司きゅん。
そして足指がふとももに触れた時「んっ!?」って俺が反応してしまった。
当然それを見逃さなかった総司きゅんは俺が食べ終わって席を立つまで執拗に内ももを擦ってきた。
あれは野獣の様な男の目だった。
この時初めて自分の過ちと貞操の危機に気づいた俺は即座に行動を開始。
ちょっぱやで家事を終え、じじいが自室に戻るタイミングで俺も2階に上がり鍵をかけて布団を被る。
来る
俺にはその確信があった。
そしてスマホをいじって30分後、奴は来た。扉をノックする音が2回鳴る。
「お姉ちゃん、起きてる?」
当然返事はしない。お姉ちゃんは寝てるわ、森へお帰り!
ガチャ…ガチャ…
ドアノブを捻る音が響く。
「お姉ちゃん、本当は起きてるんでしょ?」
ガチャガチャ…コンコンッ!…ガチャガチャ…コンコンッ…
「ねぇ…開けてよ…今日のダンジョンの事で話したいんだ…」
ガチャガチャ…コンコンッ!…ガチャガチャ…コンコンッ…
「じいちゃんはもう寝たから今なら仲良く出来るよ…」
ひぃぃぃぃ…ごめんなさいごめんなさい。
俺はこの時昔読んだ八尺様という怖い話を思い出していた。開けたら殺られ…否っ、ヤられる!
その恐怖に俺は布団の中で丸まる事しか出来なかった。
「………そっか、寝ちゃったか…お休みお姉ちゃん」
その一言を最後に階段を下る音がした。
これが昨日起きた事の全てだ。
「はぁ…どうしましょうか…」
「ん?どうかしたか?」
朝食を並べる俺のぼやきに反応したじじい。しかしこんな事話せるわけもない。
「いえ、私個人の悩み事です…朝ごはんにしましょうか」
「そうじゃな…ん?そういえば総司の奴は?」
「まだ寝ているのでしょうか?」
「まぁ昨日初めて地下を経験したのだ、疲れておるのかもな…柚希起こしにいってやれ」
えぇっ!?やだよ!だって今の総司きゅんは特級呪物(俺特効)だぞ?昨日の様子からだと拗れすぎて最早どうなっているのか俺にすら見当がつかない。だが断る事は出来ないので俺は頷くと渋々総司きゅんの部屋に向かった。
「そっ、総司…起きてますか?」
部屋の前で声をかける。…返事が無い。
コンコン…軽くノック。
「総司…朝ごはんですよ」
反応無し…ドアノブに手をかけて捻る。空いてるな…。俺はため息を一つついてから扉を押して開けた。
「総司…ご飯のじか…」
そして後悔した。
「すぅ……はぁぁ///……うっ…姉ちゃっ…///」
そこにはシーツが布一枚分膨らんだ枕に顔を埋め、何やら布団の中でモゾモゾしている総司きゅ…いや、総司がいたからだ。俺はドアを閉めた。
なんだかなぁ…目的は果たしたんだけどさぁ…。
試合に勝って勝負に負けた気分だわ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます