イマジナリー・シンドローム

こま猫

第一話【僕の友達ってもしかして曲者揃い!?】

僕の頭の中には、三人の友達がいる。


不思議なことに、それぞれ性格も口調もバラバラなのに、どこかで「自分と似ている」と思う瞬間がある。そして同時に、「自分には到底持てないような強さ」を、彼らは確かに持っていた。


陽介は、いつだって太陽のように明るい。

どんなに落ち込んでいても、彼が大きな声で「大丈夫っしょ!これくらいでめげんなって!」と笑えば、不思議と心が軽くなる気がした。彼の前では、弱さも情けなさも隠さずにいられた。

それにアニメやゲームの話に付いてこられるのは陽介、君だけなんだ。今度美少女ゲーについて語り合おう!


蓮は、沈着冷静な理屈屋で、口数は少ないけれど鋭い。

感情に振り回される僕の代わりに、物事を冷静に整理し、選択肢を示してくれる。

彼の哲学の中で最も気に入っているのが「俺の論理がロンリーを埋める」だ。

論理とロンリーで洒落てるのが蓮らしくないけれど、そこに滲む知性と皮肉が彼らしくて、僕は妙に惹かれてしまう。


そして椿は、ただ優しい。

僕の横にちょこんと座って話を静かに聞いてくれる。言葉よりもその静けさが、どれほど心強かったか分からない。

ジョークを言ったらクスッと笑ってくれたり、時折見せる笑顔がまた僕を元気にさせてくれる。



三人とも、僕にしか見えない存在――

つまり、イマジナリーフレンドだ。


現実にはいないけれど、確かに僕の中に“生きて”いて、僕が僕であるために、欠かせない存在だった。

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