第13話 「兄の幻と、青羽の罪」

文化祭が終わった夜。

青羽は、夢の中で亡くなった兄・蒼真と再会する。


「また“逃げる”のか?」


兄の姿は、あの日のままだ。

線路の向こう側で、青羽が手を伸ばせなかったときの。


「あのとき、お前は“怖くて”声も出なかった。

 人は、感情を知ったとき、必ず“責任”がついてくる。

 それがお前には怖かっただけだ」


青羽は震えながら言う。


「今も怖い。

 でも、澪が“わからないままでも、向き合おう”としてるのを見て、

 俺だけ逃げられないって思った」


兄は微笑む。


「なら、進め」


「“感情”は、自分だけじゃ育てられない。

 誰かと“交換”して、初めて重さを持つものだから──」

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