第10話 リメルSIDE 同棲? デートなのかな。


「はぁ~ハデルぅ」


僕はリメル、あれから部屋に戻ってからもハデルの事が頭から離れないで困っている。


頭もぼぅ~とするし、気のせいか顔も体も熱い気がする。


これも全部ハデルのせいだからね。


僕は、剣聖をやっているけど、本当につまらない。


仕事としては別に仕方ないのは解っているよ。


四職の一つになったからには死に物狂いで戦わなくちゃいけないんだ。


だけどさぁ、なんで僕が剣聖なのかなぁ。


剣聖って一番最初に相手に斬りかかるのが仕事なんだ。


勇者のライト以上に前線に出て戦わないといけないんだ。


基本的に誰かを守る事ばかりで、守られる事は少ない。


聖女のマリアンヌや賢者のリリアは後衛だから誰かに守って貰える。


だけど僕は守って貰えない。 ううん、守るのが僕の役割。


それだけじゃない。


マリアンヌは美人だし、リリアは可愛い。


僕はマリアンヌみたいに女らしいふくよかな体つきじゃないし、リリアみたいに背が低く可愛らしくもない。


胸も小ぶりで、うん男の子みたいだ。


今は失敗続きで人気も無くなったけど、二人はいつも男の子に人気があり囲まれていたけど。


僕は女の子に人気はあるけど、男の子には人気が無い。


いつも取り巻きは女の子ばかりなんだ。


僕だって女の子なんだよ?


誰かに守って欲しい時もあるし、女の子より男の子の方が好きだ。


幾ら男の子っぽいって言っても、僕は女の子なんだ。


恋愛対象は男の子なんだ。


だけど、近寄ってくるのは女の子ばかり。


僕を守ってくれるような男の子は居ないし。


女の子として扱ってくれる人も居ない。


『剣聖』だからね。


僕は女の子なんだ。


いつも剣聖らしく。


そう思って頑張っているけど……


『本当は女の子らしくお姫様になりたい』


他の女の子みたいに誰かに守って貰いたい。


優しくして貰いたい。


そんな時もあるんだ。


だけど、僕は剣聖。


だからカッコよくなくちゃならない。


女の子なのに……


『王子様』みたいにしなくちゃいけないし、ならないといけない。


今迄、仕方ないと諦めていた。


だから、より剣聖らしくカッコよくいようと頑張ってきたんだ。


だけどね。


そう思ってきたのに……


『大丈夫ですよ! リメル様、リメル様は僕が守りますからね! 食い止めている間に逃げて下さい!』


はぁ~本当に諦めていたのになぁ~


あの言葉が、ハデルが僕を女の子に引き戻したんだ。


あの言葉が、僕をお姫様にしちゃったんだ。


僕みたいに強くなんてない。


それなのに、僕を庇って……近くにマリアンヌが居なかったら死んでいたような怪我をしながら僕を守って。


あの時のハデルはマリアンヌが居る事なんて知らないから、あの時のハデルは『僕の為に命を捨てた』んだよね。


命懸けで守られちゃった……


僕、もう、どうして良いかわからないよ。


ハデルが僕をお姫様みたいに扱うからいけないんだよ。


しかも、僕……


『宿屋ぁ? それなら今日は宿屋に送っていくけどさぁ、僕たちの家に一部屋あげるから、そこに住むといいよ』


これって僕からハデルと一緒に住みたいって言っているみたいじゃないかな?


考え方によっては『同棲』したいって言っちゃったみたいだよね。


他にも……


『いいよ、いいよ……それじゃ今日は送っていってあげるから、明日は色々と必要な物を僕と買い物に行こう』って僕、デートに誘っているんじゃないかな?


ううっ、無意識って本当に怖いよ。


デート……そうだ、デートだよね?


昨日ハデルを送って行くときも顏が赤かったのに......僕大丈夫なのかな?


あっ!? 僕……女らしい服持ってないや……どうしよう。



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