ダンジョンに死を求めるのは間違っているのだろうか?  序盤で仲間を追放して「ざまぁ」されるようなハーレムクズ勇者パーティが秘密を知られ主人公を追放せず仲間として認めて楽しく過ごしていくような恋愛物語。

石のやっさん

第1話 えっ!? ホワイトなんですが......

パーティリーダーであり勇者のジョブを持つライト様がミーティングで僕に告げてきた。


「ハデル……もう少し自分を大切にしたらどうだい?」


「この世界にとってライト様やリメル様、マリアンヌ様、リリア様は大切な人です! 僕が盾になり守るのは当たり前じゃないですか?」


「確かにそれはそうだが……」


おかしい。


このパーティはライト様のハーレムパーティで、すこぶる評判が悪い。


人使いが荒く、人を人と思わない。


そのうち死人が出るんじゃないか?


そう言われていた。


その為、勇者パーティなのに仲間になりたがらない。


そんなパーティだった。


僕はこのパーティに『死に場所』を求めて入った。


勇者ライト

剣も魔法も使いこなす凄い人物。かつては超人ライトと呼ばれていたが、女とお金にだらしがなく、ハーレムパーティにする為に何人もの男のメンバーを追い出した。 そして、依頼に何回も失敗し男女問わずに沢山の犠牲を出した事から今では鼻つまみ者になった。


剣聖リメル

茶髪に浅黒の肌の中世的な美少女。ボーイッシュで一見カッコ良いが、実際はズボラで計画性が無く。すぐに突っ込んでいく。

その結果、今迄何回パーティを危険に晒したか解らない。

リメルの盾になり、沢山の犠牲者が出たとギルドの情報に書かれていた。


聖女マリアンヌ

金髪で色白でスタイルの良い美女。笑顔が美しく誰にでも優しく、癒しの女神なんてかつては言われていたが、それは外面が良いだけ。 何も考えず勇者のライトには逆らわない。 そして回復魔法もライトや自分優先に掛け、強力メンバーに掛けず沢山の犠牲を出した。 


賢者リリア

背が低く緑髪の幼い感じの美少女。

かつては天才と呼ばれていたが……賢者とは名ばかりで作戦立案が出来ない。 火炎魔法や大規模魔法も使えるが、それが効かないとパニック状態になり敵味方関係なく魔法を放ち沢山の犠牲を出した。


これが、勇者パーティ『希望の翼』のギルドの情報だ。


ギルドの受付嬢に『酷いパーティで死んでしまうから入らない方が良い』そう釘を刺された。


普通は『勇者パーティの仲間になれる』という事は光栄な事なのだが……今迄に沢山のメンバーを失い、討伐に失敗した彼等と仲間になりたがる物好きはいない。


『メンバー募集』の貼り紙もまるで塩漬依頼の様に貼りっぱなしになっていた。


そんなパーティの仲間に、雑用係兼、荷物持ち兼、マリアンヌ様とリリア様の護衛として、新たに加わったのがこの僕、ハデルという訳なんだ。


僕にはある目的があり、このパーティに入った。


それは『死ぬ事』だ。


「ハデル、確かにこのパーティは勇者パーティだ! 場合によっては命を懸ける必要もある! だからと言ってお前の命を軽く見たり私はしない……」


勇者のライトが苦痛の表情でそう告げる。


「ライト様……お気持ちは凄く嬉しいですが、ライト様達は国を、しいては世界を救う運命のお方……命の重みが違います! 皆の命の為なら喜んで僕は死にます! 魔王を倒し世界に平和をもたらすお方達です! 僕の事など考える必要はありません!」


「ハデル、お前なぁ……私はお前を本当の仲間だと思っているんだぞ!」


「それは凄く光栄です! ありが……」


「私もライトの意見に賛成ですわ! ハデル、貴方は自分の命をもっと大切にしなさい! 目の前で死なれたら私だって気分良くありませんわ! いいですわね! 本当に貴方って子はもう……余り心配させないでくれませんか!」


「すみません……」


何故か……皆が僕に優しい。


「その顔、絶対に分かって無いですわね!良いですか?」


「マリアーヌ、もうその辺にしておこうよ! ハデル、僕も同じ気持ちだよ! ハデルが死んでしまったら僕だって悲しいからね」


「リメル様……」


「いいえ、リメル甘いわ! この馬鹿にはしっかり言わないと、すぐに私達を庇って死にそうになるわ! 私達の事は良いから、もし危なくなったら自分の命を大切にしなさい! いいわね?」


「それは出来ません! 僕にとって貴方達は……」


「あ~っ、もう煩いわ! もし、また命を粗末にしたら杖で泣くほど殴るからね……それが嫌なら……」


「リリア、もうその辺でやめよう……ハデルも分ったよね」


「はい……」


思っていたのと違う。


確かに、家事や雑用は大変だし、我儘だけど……


それ以外、普通のパーティだ。


「良いか! お前は私達の仲間なんだ! 勝手に死のうとなんてするんじゃねーよ! この中にお前が死んで悲しまない人間なんて居ないんだ……解ったな!」


「はい……」


「さぁ、もう終わりで良いですわね、この話はこれでおしまい。ハデル食事の準備をお願いしますわ」


「ハデル、僕肉のシチューを食べたい」


「私にはデザートもお願いね、メニューはお任せで良いわ」


「はい、只今……」


聞いていた話と全然違うよ……

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