第25話 「なぜか“装備品”が通販で届いたんだけど、クセが強すぎて笑えない件」 お届けします!
異世界転生の準備を始めてからというもの、人生における「想定外」の密度がすさまじい。
けれど今朝のこれは――群を抜いてた。
ピンポーン。
「山田さま、お届け物でーす!」
玄関を開けると、でかい段ボール。
しかも差出人は、「異世界適応アイテム配送センター(現世支部)」。
「……そんな支部あるんだ?」
段ボールには“取扱注意:神話級アイテム”のシールがべたべた貼られてる。
いやいや、そんな物騒なもん、アパートに普通に届いていいの?
とにかく開けてみると――
「……なんだこれ?」
中から出てきたのは、
1. ヘルメット型の兜(ただしカツラっぽい)
2. 全身タイツのような鎧(明らかにゴム素材)
3. 木製の盾(板。明らかにまな板のリメイク)
4. 説明書つき:『異世界ナメてんのか装備セット・ライト』
「おい!!名前の時点で不安しかないぞ!!」
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【説明書より抜粋】
> この装備は“異世界初心者”向けに作られた、導入用ファッション装備です。
※戦闘力はほぼ皆無ですが、見た目が“なんかすごそう”なので、威圧効果は抜群です。
各装備には以下の効果があります:
【カツラメット】:風で飛ぶが、装備者の毛根を守る(?)
【ゴム鎧スーツ】:見た目は黒騎士、実際はサウナスーツ
【まな板シールド】:包丁には強いが、火には弱い
「……いやいやいや、もうツッコミが追いつかないんだが!?」
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そこに、白井さんがのぞき込んできた。
「え、何ですかその格好……めちゃくちゃ“変なヒーローごっこ”にしか見えませんよ?」
「俺もそう思う……でも説明書には“異世界準備完了”って書いてある……」
「それ、本当に使う気なんですか?装備して異世界行ったら、確実に秒で笑われて命落としますよ?」
「大丈夫、俺には“お腹が鳴らない”スキルがあるから……って関係ないか……」
白井さんは腕を組んでうーんと唸ったあと、何かを思いついたように言った。
「ならせめて、カスタマイズしましょう」
「カスタマイズ……?」
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ということで、その日の午後。
俺と白井さんは近所の100円ショップで装備強化素材を探していた。
ゴム鎧には、反射テープとニセ筋肉パッドを追加して“筋肉魔王風”に
カツラメットには、羽飾りとスプレー金塗装で“高貴っぽく”
まな板シールドには、**痛ステッカー(猫)**で癒し効果を追加
「なんか……だんだん愛着湧いてきたかも……」
「むしろ原型を留めてないですね。これは“異世界ゆるキャラ”ってレベルですよ」
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装備完成後、例によってスマホに通知が来た。
> 【装備強化:完了】
装備名:「見た目で笑いを取りつつ、意外と動きやすい戦士セット」
防御力:+0.5
モラル:-1(羞恥心)
受けるダメージ:変化なし
魅力度:+3(話題性)
白井さんの評価:
「……まあ、似合ってますよ?(笑)」
「くっ……なぜか敗北感がすごい……」
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【その夜】
「異世界って、見た目が大事なんですかね……」
「まあ、第一印象はどこの世界でも重要ですから……変な鎧でも話題にはなるし……」
「じゃあ俺、目指してみるよ。“異世界一、目立つ男”」
「その称号、確実にモブに笑われますよ」
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