限界の痴話噺
ちゅうりん法師
第1話 朝から変なことしかしない兄妹
チャンチャチャララランチャンチャチャンチャチャンチャチャラララン...
「あ~眠いー」
夢うつつで6時のアラームを聞き流しつつ目を開けない
アラーム音は部屋の中を跳ね回るに飽き足らず、部屋の外まで爆音をまき散らしているはずだ。しかも
それでも起きない自分がいる、だって眠いし。
そろそろ6番線が鳴り終わって7番線が鳴るころである。1分は経っただろう、そろそろ起き上がろうという刹那、
がちゃん。どすん。
「お兄起きてよ朝ごはん作ってよおなか減ったよマジでマジでマジで...」
そんなことを言いながら妹の一人、
「んあ~?よく聞こえんな~」
とりあえず聞こえないふりしてみた(てへ)
「このアラームうるさいんだけどしかも何発車メロディーアラームにしてんのマジきもいよ電車オタクとかモテないよマジで」
さっきより数倍大きくなった泉の声が部屋に響き渡る。脳も覚醒した頃だし、そろそろ起きるか。
「うるせーな。とりあえず、朝ごはん作って欲しいんだな。」
とりあえず洗面所に行って顔を洗うために部屋を出ようとするとすると、泉がむくれた顔をして立ちはだかってくる。
「なんだ、ここを出たければ私をノックアウトしろってことか?」
首をぶんぶん振る泉、なんか違うらしい。
「わかったよ、そら」
とりあえず抱きしめてみた。
「はわわわわ」
なぜか東横線の発車ブザーみたいな音を出して慌てる泉。面白いからもう少しきつく抱きしめるか。
「痛い痛い痛い痛いよけるから放して」
解放したところ泉はふらふらと横にどいたので部屋から脱出に成功。
ちなみにこれ初めてみたいな雰囲気出てるけど毎日やってるんだよな、他に兄弟いる人これが普通の現象なのか教えてください。
顔を洗い台所に立つと、食卓から何やら口論している気配が。
「今日はスクランブルエッグだよ、きっとそのほうが運気が上がる」
「いや目玉焼きでしょ、目玉焼きが正義だって」
泉とその双子の妹、
というわけで平和的な解決策を挙げてみた。
「とりあえずスクランブルエッグを卵3個分と目玉焼きを卵3個分でいいよな。一人あたり卵2個分ってことで。」
「「いや太るって。」」なんか批判が飛んできた。息をそろえて言われると心に深く刺さるものだ。
「安心しろ、残ったら自分の腹に収めるから」
二人とも黙ってしまったが沈黙は肯定とみなそう。
親どこ行ったと思う人もいるかもしれないが、父親は単身赴任で@海外、母親も出張で不在である。いつ帰ってくるのやら。余談はここまで。
妹二人とそんなやりとりをしながらご飯を作り、食べ終わった後、食器を食洗機に放り込んで学校に行く支度をするのだった。ご飯は卵料理だけじゃないぞ、サラダとトーストも出したからな。
今日も朝から忙しいものである。
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