第40話 先輩たちの言い争い

☆☆☆


放課後、部室の扉を開けようとすると、何やら中から口論が聞こえてきた。最初は咲月先輩と実先輩が言い争ってるのかと思ったが、どうも違うらしい。


中から聞こえてきた声は、女性2人の声だったからだ。一人は咲月先輩で間違いないが、もう一人がわからない。どこかできた声のような気がするが...だめだ思い出せないぞ。


扉に耳を当て、内容を盗み聞きしてみることにした。


「だから、何度いったらわかるの!!私たちは3人しかいないんだから、普通にやったら他と比べて不利だって言ってんの!!少しくらい融通利かせなさいよ!!」


これは咲月先輩の声だ。...そういや、出会ったころと多少口調が変わった気がするな、咲月先輩。キャラ的にも、こんな声を荒げるような人じゃなかったはずだし。


「だから嫌だって言ってるじゃない。部員が少ないのはそっちが勧誘サボってるからでしょ?自分たちの怠惰を棚に上げて、有利にしろって言われてもねえ?くふっ。」


うーん...やっぱりどこかで...


「あの、何とかなりませんか?有利にしろとは言いませんから、せめて最下位の処置を緩くするとか、演目を選ぶ権利とか...」


お、実先輩もいるみたいだ。


「それも嫌といったはずよ。これは意味不明なことに予算を使い倒す部活を減らすための施策だもの。最下位にならないよう、努力すればいいじゃない。あとあんたみたいな、なよなよした男嫌いだから、個人的にも嫌。」


「...イラッ☆」


うわあ、ストレートにいうなぁこの人。というかこの感じ、もしかしてこの人は生徒会の人なのかな?


「ならせめて、点数をつける人を変えなさい!!校長と生徒会の顧問先生がつけるんじゃ、生徒会に目をつけられてる部活が不利じゃないの!!」


「ふん、目をつけられるようなことをしてる方が悪いのよ。あとね、全部活の対抗なんだから、どこにも所属してない我々が人たちが点をつけるのは、最も公正だと思うけどぉ?」


「「ぐぐぐぐ...!!!」」


苦戦してるなあ、2人とも。というか生徒会の人?が言ってることが最もすぎて、ぐうの音も出ないってのが本当のとこかな。


「あと」


生徒会の人?が、ぽつりと。


「生徒会長である私に、あんまり逆らわない方がいいわよ?あんまり生意気なことを言うなら、あることないこと吹き込んで、戦う前に廃部にしてやるんだから♪」


そんなことをいった。せ、生徒会長だって!?なるほど、そりゃ聞いたことがある声なわけだ!


「横暴だ横暴!やめちまえ!」


「そうだそうだ!渉くんのことだって許さないからね!」


そういわれて、思い出した。そういや、廃部になったら生徒会に来ないかって誘われてたっけ。


「その子、ここにいさせるにはもったいない逸材だもの。先輩に従順な後輩なんて、最高じゃない。だから私が飼ってあげるわ。」


「俺はペットじゃねえし従順でもねえよ!!」


思わず叫びながら開けてしまった。どう取り繕うかと思っていたが...生徒会長の顔を見て、その考えは吹き飛んだ。


「...あっ!?」


「え?...あっ」


それは、今朝俺にバッグを当ててきた先輩だった。よりによってこいつが生徒会長なのかよ!!


☆☆☆

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