第27話 意味が分かるとわからなくなる話
☆☆☆
「ふ...双子お!?どど、どういうことですか!?だって、苗字も違うし...!」
俺はテンパりながら、そう聞いた。
「えっと、話すと長くなるんだけどね...」
実先輩は少し悲しい目をしながら、続けた。
「...僕と咲月の生みの親さ、小さい頃に交通事故で死んじゃったんだよ。居眠り運転のトラックに轢かれてね。そのあと僕らを親戚の人が引き取るってことになったんだけど、二人同時には引き取れないってなってね。それでそれぞれ別の親戚の養子になったんだ。だから苗字が違うってわけ。」
「え、あっ...それは、その...」
俺は余計なことを聞いた、と、申し訳ない気持ちになる。嫌なことを思い出させていまった。
「ああ、今はもう大丈夫だよ。だいぶ昔のことだし。それにお互い家も近かったから、あんまり不自由なかったからね。...そのせいで幼小中高と一緒で、腐れ縁なわけだけどさ。」
「ああ、なるほど...」
「姉弟だから、お互いそういう感情はないってわけ。それに...」
「それに?」
「...その、ね。双子の姉弟だから、好きなものとかも大体同じでさ。」
「へえ、そういうのも似るんですね。」
「う、うん。だから、あの...僕の言いたいこと、わかる?」
「え?...いや、すみません。」
「あー...うう...」
実先輩の顔がどんどんと赤くなっていく。
「実先輩?」
「...渉くん、やっぱ朴念仁だよね...」
「咲月先輩にも言われた気がしますけど、それどういう意味なんです?」
「知ーらない。自分で考えな~」
そういって、実先輩はそっぽを向いてしまった。
「え~...調べるのめんどいんで、教えてくださいよ~」
先輩の顔を覗き込みながらそういう。
「ちょ、顔近い...!そ、そういうところだよ!朴念仁って言われるのは!」
また顔をプイっと背ける実先輩。今度は覗き込もうとしても体勢を変えて避けてくる。ちょっとイラっとした俺は、実先輩の顔をつかんで、俺の方へ向けさせた。
「ひゃえっ!?」
「だからどういう意味なんですか?それ。いい加減教えてくださいよ。」
「あ、あう...!!」
実先輩はどんどんと顔が赤くなり、ついには湯気が出てバッと立ち上がった。
「も...も~!わからずやってことだよ~!」
そういいながら、実先輩は走り去ってしまった。
「はえ~、わからずやかぁ...って、ちょっと待てよ、結局どういうこと!?実せんぱ~い!?」
意味を言った俺は、なぜそれを言われたのかがよくわからず、さらに混乱するのだった。
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