許されざる極星図書(ウラノメトリア)

いみなしよるこ

星の追憶

 世界の終焉終わりは何色だろう。


 星が灼けていくのを、人々の怨嗟が響くのを、暴虐の限りを尽くさんとする異界の神々悪魔を。


 この星の中心片すみで、崩壊する世界をただ傍観することしか出来ない私は、焦りも感じずにふとそんなことを考えていた。


 神々彼らを追い返す力を持たず、人々を救う手も持たない。


 ただそれを観測することしか出来ない。


 だからせめて祈ろう。


 曇天に青を取り戻す者を、神々を追い返す者を、この星の救済者の訪れを。


 私は心から祈ろう。


 ああ、願わくば。


 願わくば、そう---



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