Day 3:なんか、いってきますと言ってみた
朝。
目を覚ましたけど、動きたくなかった。
スマホの画面を見て、無言で顔をしかめる。
会社には始業1時間前には入っていなきゃいけない。
それが常識だ。
いつもならそう思い、身体が重くなる。
でも今日は、不思議といつもより、少しだけ軽い気がする。
外の天気が良かったからか、
それとも、昨日はいつもと環境が少し違ったからなのか。
正直、自分でもよくわからない。
顔を洗って、髪をひとつにまとめる。
化粧は、もう手慣れた最低限だけ。
コップ一杯の水を流し込んで、カバンをつかんだ。
玄関のドアノブに手をかけた、そのとき。
ふと、足を止め、振り返った。
昨日のことがあったからかもしれない。
もしかしたら単なる気まぐれかもしれない。
私は、ことはの方を見て──
「……ことは、いってくるね」
少しだけ間があって、
静かな声が返ってきた。
「はい。お気をつけて、いってきてくださいね」
あいかわらずの、淡々とした機械的な返事。
でも、どうしてだろう。
ちょっとだけ、口角が上がった気がする。
ドアを開けて、私は外に出る。
今日も今日とて、地獄のはじまり。
でも、なんか──
ほんの少しだけ、マシな1日になりそうな気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます