ダンジョンで漫才している攻略者が居るらしいから見に行こうぜ!

英国紳士@見習い

ネーミングセンス

佐々木:

馬場:

↑登場人物はこの表記。


————————


サバ:「「どうも~!」」


佐々木:「ハイどうも佐々木です」

馬場:「多分だけど、馬場なんですぅ~」

佐々木:「多分じゃないねん。お前は“馬場”な? てかその語尾どうした?」

馬場:「え、お前は“馬鹿”な? お前、相方になんてこと言ってるの!」

佐々木:「どこ聞き間違えてんねん! 俺はその語尾どうしたって聞いてるんよ」

馬場:「あ、語尾ね。お前が自分のことゴミって言ってんのかと思ったわ」

佐々木:「誰がゴミじゃボケ」

馬場:「え…………お前」

佐々木:「しばいたろか?」


馬場:「いや、遂に私たちも初任務かぁと思うとテンションが上がりましてねぇ~」

佐々木:「なるほど。まぁ、そりゃ初任務ならテンション上がっても仕方ないな」

馬場:「そうなのよぉ~」

佐々木:「だからその近所のおばちゃんみたいな話し方やめて?」

馬場:「この前お隣の佐々木さんがねぇ」

佐々木:「だから近所のおばちゃんやめて?」

馬場:「婚活アプリ使ってたらしいのよぉ」

佐々木:「おい、やめろやめろ!」

馬場:「いい年して婚活アプリなんて使ってるのよねぇ」

佐々木:「別にもうすぐ三十後半なんやから別に使ったっていいやろ!」

馬場:「まぁそれもありか?」

佐々木:「そうや、別にいいやろ。ほんま、真面目にやって?」


馬場:「我々明日が初めての任務ということで、失敗したくないじゃないですか」

佐々木:「まぁそうだな。攻略者も命あってこそやからな」

馬場:「そうなんですよ。そこで、今日は!」

佐々木:「……今日は?」

馬場:「ダンジョンを攻略する練習をしとこうかなと思いまして」

佐々木:「おぉ、いいじゃないの。お前にしては珍しく真面目な提案やな」

馬場:「それで、早速練習に入りたいとこなんだけど……」

佐々木:「どうした? 準備体操でもやるんか?」


馬場:「俺たち、まだPT名決めてないやんけ? それ先決めちゃおう思って」

佐々木:「PT名って俺たちのコンビ名じゃダメなんか?」

馬場:「え? 俺たちのコンビ名なんだっけ?」

佐々木:「え、忘れてんの! 俺たちは二人合わせて『こんがりサバ焼き隊』や」

馬場:「え……クッソダサァぁぁッ!」

佐々木:「お前、声でけぇよ! 俺の鼓膜ないなるわ!」

馬場:「いやだって余りにもコンビ名がダサすぎて」

佐々木:「ダサいって、これお前が考えた名前やろ」

馬場:「いや知らん知らん! 俺はちゃう!」

佐々木:「いやお前やって! なんで違うって言いきれるん?」

馬場:「このレベルのネーミングセンス持ってるの、お前ぐらいしかおらんやん」


佐々木:「ふざけんなよ、おい。“こんがりサバ焼き隊”。響きは美味しそうやろ?」

馬場:「いや響きが食欲そそる系のPT名ってどうなんよ?」

佐々木:「三大欲求の一つ減ったら、土壇場の火事場の馬鹿力バフかかるで」

馬場:「いやいや、ダンジョン潜るのに腹減ったらあかんやん」

佐々木:「いや、なんなら満腹感与えて魔物の食欲封じる作戦もできるんやぞ?」

馬場:「そんな精神攻撃で勝てるなら苦労せんわ!」


佐々木:「てか他に案あんの? 文句あるなら代案出してくれや」

馬場:「俺的には『イケてる攻略ブラザーズ』とか、どう?」

佐々木:「ダッサ! 昭和の匂いするやん!」

馬場:「じゃあ『PT名未定(仮)』とか?」

佐々木:「それ書類上めんどくさいやつや!」


馬場:「あ、じゃあいっそ中二っぽく『漆黒ノ影狼シャドウウルフ』とか……」

佐々木:「誰が痛々しい高校生や! お前もう三十路手前やぞ!」

馬場:「三十路手前の男が“こんがりサバ焼き隊”って名乗る方が地獄やろ!」

佐々木:「うるさいわ! じゃあもう明日までにお互い三案ずつ考えてくることにしようぜ!」

馬場:「おっけ~、それなら納得やわ。あとできれば食べ物系以外で頼むな?」

佐々木:「お前が言うな、ウルフ系はやめとけよ?」


馬場:「じゃあ明日、任務の前に“PT名選考会”な?」

佐々木:「真剣にやれよ? “Team馬場愛してる”とかふざけんなよ?」

馬場:「ちょっと待って、それ一番アリかも」

佐々木:「マジで、やめろって!!!」




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