どれもズレてる異世界生活 ~俺の中の異世界常識が通用しない~
上江洲 タカシ
Episode1 はじめまして異世界
序章 異世界は甘くなかった
第0話
どうして、こんなことになってしまったのか。
全身を駆け巡る痛みに顔を歪めながら少年は考えざるを得なかった。
あんなに優しく接してくれてた金髪の青年は、手にしていた盾を破壊され、鎧ごと貫かれていた。
冷たい言葉しか吐かなかったがその奥底には優しさが見え隠れてしていた青年は、首の骨を折られた。
そして赤毛の少女は——今も目の前で戦っていた。
俺が余計なことをしなかったら、あの少女だけでも逃げ切ることができたのではないか?
いや、いなかったとしてもあの化物から逃げられっこない。
だから俺は悪くない。悪くないんだ。
こんな状況なのにも関わらず、汚い押し問答が自分の中で繰り広げられていることに気が付いて、少年は血が滲みそうな程下唇を噛む。
どうしてこうなった?
と、もう一度自問するが、少年はその答えが出ていることに気が付いていた。
異世界を甘く見過ぎていた。
異世界を甘く見て、どこかゲーム感覚でこの世界と接してしまった。
結果がこれだ。
自分が危険なことをしていることに気が付かずにのこのこと死地に足を踏み入れてしまった。
全て自分の軽率な行動がこの事態を引き起こしているという事実に、は少年は耳を塞いでうずくまりたくなった。
『おい! しっかりしろ人間!』
凛と響くような、それでいてどこか芯の通った力強い声。
ぐちゃぐちゃになった頭を無理やり晴らそうとするかのような声が聞こえ、はっと我に返り、少年は声のする方へと顔を向けた。
——ドラゴン。
銀色の鱗を持った、目の前で浮遊する小さなドラゴンの姿がそこにはあった。
「……ドラゴン?」
『ようやくワタ——余の声が届いたか。落ち着け人間。このままではお前、何もできずに死ぬぞ』
——創神歴2104年。
少年と一匹のドラゴンの出会いによって、この世界に大きな変化がもたらされることを、まだ誰も知らない。
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