孤児院が私の家族ー転生後もドアマットとか耐えられないので、貴族令嬢の立場を捨てて逃げ出しましたー
つきがし ちの
第1話 家族とは…?
家族とは何でしょう。
「血のつながり」と答える人が、きっと世の中多いでしょう。
でも、私の答えは違う。
だって、血なんかつながってなくても、ここのみんなは家族だもん。
「みんなー朝だよー!」
私は子供たちが眠る大部屋に、許可もなく堂々を入り込むと、
フライパンを左手に、お玉を右に持ち、それをカンカンカンと大きな音で鳴らしました。
その大きな金属音に驚いて目を覚ます子、うるさくて少しでも音量を下げて二度寝しようとする子、図太くこの音の中夢の中に居続けて帰ってこない子、反応は十人十色。
しかし私のやることに、何も変わりはありません。
「早く起きなさーい!」
「はーい」
なんとしてでも子供たちの目を覚まさせ、朝食を食べさせることです。
聞き分けのいい子たちは私の一言で、さっさとベッドを整え着替えを始めます。
しかし、まだ布団から出てこない子供は、実力行使で起こすしかありません。
「ほら、マーカス早く起きる。」
「アレッタうるさい。」
「うるさいじゃないの」
「そんなうるさいと、行き遅れになるぞー!」
「関係ないことをここでいうんじゃない。」
そういうと私はマーカスの体をユサユサ揺らし、無理やりに起こします。
「全く、手がかかるんだから。」
何とか最後の一人が目を覚まし、モソモソと動きは鈍いですが、行動を開始します。
「アレッタ、着替え終わったよ」
「えらいわねリック、じゃあ、厨房行って先に起きたケイトリンの手伝いしてあげて」
「配膳しているはずだから」
「はーい」
そういうと、準備が終わった子供たちは、急いで厨房や食堂に向かって、朝の準備をします。
しかし、まだ身支度が完全に自分でできない子供たちは…
「アレッタ!髪結んでー!」
なんて甘えてきます。
まぁ、やってあげたい気持ちはあるのですけどね、私がいつまでも手をかけていては本人のためになりません。
「もー、バネッサいい加減自分で髪結べるようになりなさい。」
「えー、今日だけー」
「もー」
しかし、甘くなってしまうのもまた人間というもの。
ほんと、朝から毎日うんざりするくらい忙しい。
戦争といっても過言ではない。
でも、だからと言ってそれを面倒に思うことはない。
そう、この孤児院「羊の家」が、私の家。
私の家族。
「ホラーみんな!早く食堂行って!朝ごはんたべるよー!」
だから、この羊の家をつぶすわけにはいかないのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。