第9話
朝の光が王宮の大広間を優しく照らしていた。
結婚式当日。エレノアは鏡の前で、純白のドレスに身を包みながら、心が高鳴っているのを感じていた。
「緊張してる?」
そっと隣に現れたレオンハルトの声に、振り返りながら微笑む。
「少し。でも、殿下がそばにいてくれるから安心してる」
彼の冷たいと噂される瞳が、優しく彼女を見つめ返す。
「俺もだ。お前と誓いを交わすこの瞬間を、ずっと待っていた」
重厚な扉が開き、華やかな客席に見守られながら、エレノアはゆっくりと祭壇へと歩みを進める。
歩くたびに感じる視線、緊張が胸を締めつけるが、彼の手がそっと自分の背中を押し、優しい鼓舞となった。
祭壇で向かい合った瞬間、レオンハルトが静かに言った。
「エレノア、俺のすべてをお前に誓う」
彼の言葉は力強く、揺るぎない決意の光を帯びていた。
エレノアもまた、心からの想いを込めて答える。
「私も、殿下を愛し、支えていきます」
二人の指が重なり合い、誓いの言葉が広間に響き渡る。
その瞬間、冷酷と呼ばれた王太子の仮面は消え、ただひとりの男性として、エレノアに真っ直ぐな愛を捧げていた。
結婚式は終わり、二人は新たな生活へと歩き出す。
それは、まだ知らない未来への扉。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます