第26話 融合 居合い
『手持ちの『世界ダンジョン百景』(破片)と融合しますか?』
そんな脳内のメッセージと共に、目の前にあらわれた1枚のボード。
→Yes No
「……もとからある奴が、消えて無くなるわけじゃなさそうだな。うし、ためしに融合してみるか」
ぼくは、Yesを選択した。
『世界ダンジョン百景』の融合が完了しました(補完率2.1%)』
脳内に音声が流れて、懐の『世界ダンジョン百景』が熱をおびる。
手にとって確認して見ると、見たことのないダンジョンのマップが新たに複数記載されていた。
「これ、融合しまくれば、いつか世界中のダンジョンの構造を網羅したマップが出来上がるのかな……」
ぼくは一時そんなことに思いを馳せる。だとしたら、ほとんど見込みのない『エリクサー』発見プランもまんざら、夢物語ではなくなるかもしれない。
とにもかくにも、やることをやらねば。
「ヤッタカ! からの、ゲム・スラッシュ!!」
ぼくは、レッド・ミミックを生き返らせてから、即箱頭に最大攻撃を叩き込んだ。うぅ……MPの消耗が半端ではないが、この強敵相手に汗を出し惜しみする気にはなれない。
「ッ…………!!?」
断末魔の悲鳴も許されず、甦生したミミックは秒で冥土に送り返される。
『アイテム『スキルの種火』がドロップしました』
「これが、レッド・ミミック固有のアイテムか……」
出てきた、淡い炎のような光を発する水晶を【鑑定】する。
※『スキルの種火』 4個集めて融合させると、『スキルの灯火』になる。
「な、なんだ『スキルの灯火』って……えらく、アバウトな説明だな……」
まぁ、いい。
なら、実際に手に入れてみるまでだ。
ぼくは、レッド・ミミックの魔石を回収し、MP回復ポーションを口にすると、本腰をいれて
「ヤッタカ! ……――」
しばらくして……、
『『スキルの種火』が一定数集まりました。融合して『スキルの灯火』を入手しますか?』
目の前に選択肢の記載されたボードがあらわれたので、迷わずYesを選択する。
『アイテム『スキルの灯火』を入手しました』
「これか……」
『スキルの種火』より二回り大きい炎のような光を発する水晶を【鑑定】する。
※『スキルの灯火』 使用者に新たなスキルを授けるダンジョンの秘宝。『スキルの灯火』を4つ組み合わせることで『スキルの大火』になる。
「新たなスキルを入手!?」
ぼくは、絶句する。
これが本当だとするなら、なんて破格のアイテムなんだ……。
『アイテム『スキルの灯火』を仕様しますか?』
信じられない気分で『スキルの灯火』を見つめていると、傍らにそんなボードがあらわれる。
「…………」
少し考えて、Yesを選択した。
『スキル取得条件が満たされました。スキル【アイテム・ボックス】を取得しました』
「【アイテム・ボックス】!! すごっ!!」
確か異空間に、物資を収納しておける。超レア・スキルだった筈だ。
かなり有用かつ稀少なスキルで、これを持っているだけで、戦闘力が皆無でも大抵の冒険者パーティーで重宝されるという。
ためしに、使ってみると、手元に異空間に繋がる黒い穴があらわれ、そこに物資の殆どをしまえてしまった。
これで“持っていける物資の制限”という問題から、今後かなり解放されるだろう。
ここまでくると、これより上位のアイテムである、《スキルの大火》のほうも俄然気になってくるな。
「しっ! 甦生&
ぼくは、最後のMP回復ポーションを飲み干して、レッド・ミミックの死体に向き合った。
数十分後
『『スキルの灯火』が一定数集まりました。融合して『スキルの大火』を入手しますか?』
ぼくは、迷わずYesを選択する。
『アイテム『スキルの大火』を入手しました』
「よしっ! ギリギリいけたか……【鑑定】」
※『スキルの大火』 使用者の保有しているスキルを強化するダンジョンの秘宝。
「スキルを強化するアイテム……。そんなのあるんだ。とりあえず使ってみるか」
『アイテム『スキルの大火』を使用しますか?』
→Yes No
『スキル進化条件を満たしました』
『スキル【ゲム・スラッシュ】が【居合い】に進化しました』
※ ※ ※
アンディ・ウォーカー LV46→58
HP390/420→630/630(UP!) MP70/433→16/644(UP!)
攻撃:260→404
防御:234→398
敏捷:1101→1450
抵抗:199→301
知性:200→321
スキル:【HP付与】【鑑定】【居合い】【見切り】【敏捷付与】【アイテム・ボックス】【絶影】
称号:〈ミミックスレイヤー〉
※ ※ ※
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