霊佐(話・読解秋夢)

霊佐はごく普通の明るい女の子。

友達も多く、クラスのムードメーカーだった。

でもある日、とある誰かに殺された。

そう。あのを使って___


学校帰りのことだった。

せっせかと歩いていると、急に体が浮いた。

あっ。

担ぎ上げられたまま霊佐は車に乗せられた。

霊佐は思った。

私多分誘拐されるんだ。

色々と考えていたその時、急に車からおろされた。


目の前は、あのトンネルだった。

うそ___

ゾッとした。

でも驚いたのも束の間、霊佐はトンネルへ投げ込まれた。

投げ込まれた衝撃で霊佐は頭を強く打った。

だんだんと意識が薄れていく中で、最後まで、車が去っていく音が鮮明に聞こえた。

憎かった。


意識が戻った時、霊佐は幽霊になっていた。

その時近くにいた俏さんが教えてくれたのだ。

もう選択肢などない。

霊佐は、この村で生きてゆくことに決めた。


でも、憎しみは消えない。

いくら明るく振る舞おうと、心の内は変わらない。

そして霊佐は決める。

自分をこんな目に合わせた奴らを自分と同じ目に合わせてやろうと。

自分と同じ苦しみを味合わせてやろうと。

このトンネルで殺してやろうと。

霊佐は毎日トンネルの奥から奴らのことを見張っている。



そして今もトンネルの奥から、赤い眼で奴らのことを見張っている。





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