413_生きたいと願うばかり
親父のお経で目が覚める
ナムアミダブツ?ホウレンゲキョー?
神も仏も信じていない僕でも
それくらいの念仏が頭に入ってしまった
親父はいつ狂ったのか分からない
ひょっとしたら子どもの頃に見ていた
あの背中は偽りだったか見栄だったか
それにしても衰えてしまったな
親母の叫びで目が覚める
自分を責める言葉だから今日は軽めだ
心理学をかじってない僕でも
それくらいは把握できるようになった
親母はいつ狂ったのか分からない
ひょっとしたら子どもの頃に見ていた
あの笑顔は偽りだったか見栄だったか
それにしても衰えてしまったな
僕は過去の僕で目が覚める
あの時どうすればよかったのかとか
今でも薬を飲み続けている僕は
暴走する脳を抑えることで精一杯だ
僕があの時狂ったのか分からない
ひょっとしたら運命なのか遺伝なのか
神も仏も心理学も全然役に立ってない
それにしても酷い有様になったな
親父が先に一人で死んだらどうなるだろ
親母が先に一人で死んだらどうなるだろ
僕が先に一人で死んだらどうなるだろ
飛んでも痛いだけ
吊っても苦しいだけ
それでも生きたいと願ってしまう命
生きるって何なんだろうな
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