僕が結婚1ヶ月で離婚した理由
2nd kanta
第1話 新入社員
どっか人目のつかない所でやれよといつも思うが、まあ彼女が配属されたのは僕のいる部署であって最近特に騒がしくなった。
当然の如く週末には彼女の歓迎会が行われる事になった。大して興味がない僕は断ろうと幹事になっている先輩に伝えに言ったら
出れないなら次の日の土曜日の午前中だけ出てくれないかと、交換条件を出して来た。
普段なら気にせず出勤してたが、その日は伝説のアニメのメインヒロインのグジャロのフギュアの発売日なのだ。
それも数量限定売り切れゴメンの奴だ。
ぐぬぬって本当に出るものなんだと初めて知った日だ。
金曜日の夜七時、駅前のカラオケ地獄突きの上の階にある。人間風車ビルロビンソンという名の居酒屋さんらしい人気店だそうだ。
僕は全く知らなかったが時間ギリギリに到着して迷わず宴会席の末席に座った隙を見て直ぐに帰るつもりだったからだ。
部長の挨拶と新入社員の美和三和子さんの一言と幹事の先輩の乾杯の音頭で宴会が始まった。
払った会費の割には料理がしょぼくないかその分飲み放題に回しているのか、もういいかと帰り支度をしていると。
「先輩もうお帰りになるのですか?」
先輩?僕は隣を見て
「黄瀬さんもう帰るのですか?」
「いやお前だろ帰り支度しているのは」
「え?僕に用なんてないでしょう?」
「それじゃ黄瀬さんお先です」
「ちょ!待って下さい
「仕事の話ならこちらの黄瀬さんに聴くといいよ会社の事もね色々と優秀な方ですからそれに世話好きの恋人募集中のイケメ……普通の人だから」
「え!」
「神島テメェ何、最後にディスって覚えてろよ!」
この三下感が無ければ優良物件なのに、ではと僕は周りにヘコヘコしながら人間風車を出た。
四月も半ばまだ夜風は少し冷たいコートの襟を立て足早に帰路に就く大学院をでて入社三年目、漸く一人で仕事を任せて貰えるようになった。
会社に対しては然程不満は無い、休みも取れているし残業もイレギュラーさえ発生しなければ定時で退社できる。
自室のあるボロアパートに帰って来た。
築四、五十年は経過しているはずだ。
スチール製のドアだけが頑丈だが壁は薄いドアを開けると奥から灰色の猫グレ子がやって来て、僕の足に纏わりつくのだ。
ニャア!
このグレ子は家賃の振り込みを忘れていた僕が大家さんに直接届けに行った時に押し付けられた猫だ。
大家さんの猫が子を産んだそうで飼い主を探している最中だったと、良かった良かったと押し付けられたのだ。
大家さんでもあそこはペット禁止ではと僕が指摘すると、良いのよ私が許可したんだからと、聞くとろころによるとすでに二匹の仔猫を押し付けたそうで僕で三匹めだ。
この子の親猫も頭が良いからこの子もいい筈よと、何も根拠のない事を教えてくれた。
グレ子は灰色だからでは無く僕の好きなWEB小説の魔法使いとJKに登場するキャラだ。王子に婚約破棄を喰らい冤罪をかけられ惑星を追放されたテンプレ設定の宇宙人の少女なのだ。
名をマシャリーグラドグラトマドアノーラジェンファンといい、候爵家の次女だ名前が長いとグレ子にしたそうだ。
グしか会ってないが本当は宇宙人といえばグレイだとそこから取ったとの事だった。
何故そこまで詳しく説明するかと僕は好きな小説を皆んなに読んで貰いたいからです……まあ、メッチャ評価の低い糞ですけどね。
最近サイトを変えたらしいけどR18でまだやるそうだっていい加減諦めろよな。
僕は棚から猫缶を取り出しグレ子に食べさせる。その姿を見ると僕はホッコリとする。
「ハァ〜癒されるわ〜人間のメスよりグレ子の方がよっぽどマシだねぇ〜グレ子もそう思うでしょう」
ニャア。
☆☆☆
一方で社内でもトップクラスの美貌の新入社員の美和を前にして、破顔しまくりの黄瀬であった。
「黄瀬先輩、神島さんていつもあの様な方なんですか?」
「神島?ああアイツは入社当初は人なつっこい好青年だったよ」
「だったよ?」
「仕事が落ち着いたら結婚する予定だったんだよ、所が一時期仕事が忙しくなってね。
アイツが気づいてたらチャラい男に彼女を寝取られていたんだ。
その女も馬鹿な女だ、一時の快楽で人生を棒に振るんだから女って分からないね」
「人生を棒に振る?」
「ああ幹事の先輩が仲間とキャバクラに行ったら神島の元彼女がキャバ嬢をやっていたんだよ先輩達は直ぐに気づいたそうだアレはチンピラの女に成り下がったとね。
あの女のいく先は見えているって言ってたわ、幸せなんて成れる筈がない多分色んな男をあてがわれ最後に棄てられるとね」
「あっ!ゴメンネ美和さんには関係の無い話だったよね。アレから神島は人を信じ無くなった今じゃ女性をメス呼ばわりするし勿論女性の前では言わないけど」
「メス……」
「無駄な時間と労力を使って馬鹿を見たと
やっぱりメスは信用できない生き物だと今の神島はその言葉を座右の銘にしているよ。
人前では言わないけどねって言えないだろ!」
「お〜い!美和く〜ん!」
「酔っ払い共が呼んでるよ行ったら」
「えっ?あっ、色々と教えて貰いありがとうございます」
「ん、皆んなが知っている事しか言ってないよそれと君とはあんまり関わりも無いから気にしないで」
「えっ?」
私は考えていた一時の快楽で人生を棒に振る事を……
「宴もたけなわですがコレでお開きになります二次会に出る人はビルの入り口で待っていてください!帰宅される方は気を付けてお帰りください」
幹事の締めの言葉で一次会はお開きになった。
「美和君は当然二次会に参加だろ」
「いえ、部長申し訳ございません。
母が風邪気味なので直ぐに帰らないといけません!また来週から宜しくお願いします」
「そうかお母様が……気を付けて帰るんだぞ」
「はい!ありがとうございます」
美和は直ぐにタクシーを捕まえ帰路についた。
ふう、黄瀬先輩の話を聞かなかったら危なかったかも君子危うきに近寄らずね。
じっと繁華街のネオンを見つめる三和子、彼女の顔には何かを決意した事が窺えるのだった。
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