第13話

【精神科 病棟カルテ:No.08921】


患者氏名:記録抹消(依頼により匿名)

性別:不明

年齢:20代後半と推定

入院日:2024年10月13日

担当医:守口



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【主訴】


・幻覚、幻聴の訴え。

・「GeoScopeで“自分の未来”を見てしまった」と話す。

・夜間、モニターに向かって話しかける行動あり。



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【診察記録(初診時)】


患者は非常に混乱しており、「GeoScopeのストリートに、自分が事故死している映像があった」と繰り返し訴える。

その際、具体的な場所として“県道17号線沿いのバス停”を挙げ、「自分はそこにいないとおかしい」と主張。



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【観察記録(入院3日目)】


・深夜2:11、ナースステーション前のPCを無断操作。

・「GeoScopeにしか見えないものがある」と言い、画面に手を合わせながら泣き崩れる。

・再生映像には異常なし。ただし、閲覧履歴に該当ページなし。



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【所持品記録】


・ノート1冊(「見たものを忘れないように」と記録)

 → 内容:以下のような記述が多数


> 「事故現場に自分が2人いた。1人は立って見ていた」

「GeoScopeには“先”が映る。戻れない」

「画面の中の私は、手を振っていた。でもそれは“さよなら”じゃなかった」

「もう一人の私が“そっち来るな”って言ってた」





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【備考】


・退院予定未定。

・本人は現在も“その場所”を探し続けており、ストリートビュー内の光の方向や影の形から何かを計算している様子。

・担当医によると「時間の概念が混線している可能性あり」との所見。


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