第2話 婚約破棄

  冷たい石造りの王宮の大広間。貴族たちのざわめきが渦巻く中、リリアナは静かに立っていた。

「リリアナ・フォン・エルシュタットよ。貴女との婚約を、ここに正式に破棄する」

若き王子の声が響く。しかし、その言葉が告げる屈辱にも、リリアナの表情は揺るがなかった。

むしろ、彼女は微笑んでいた。

「それは好都合ですね。私も貴方には興味がなくなったところです」

一瞬、大広間が静寂に包まれる。王子も貴族たちも驚いた。しかし、リリアナは振り向き、優雅にその場を去った。

彼女には、この程度の出来事など取るに足らないものだった。なぜなら、王宮の者たちが知らぬ秘密があるから——。


 彼女の秘密、それは幼い頃、伝説の犬「ゴルド」と出会い、その恩恵を受けていたこと。そして、王宮の者たちすら気付かぬ、彼女の運命を左右するもう一つの力——「いにしえの神」の加護。

この瞬間が、彼女の新たな人生の幕開けとなる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る