第33話 木下へのお願い

 次の休み時間も菜月は正章の隣を占有する。楽しそうに昔話を交わす。


 一方、流華は不満そうに凝視する。蚊帳の外に居る。


「なんか不満そうだね。相談に乗ろうか? 」


 隣の木下が恐る恐る尋ねる。流華の顔を窺う。


「そう。不満。もしよかったら、あの2人を遠ざけてくれない? そうすれば少しぐらい話してもいい」


「え!? 本当に! 」


「私に2言はない」


「それなら! 任せてよ!! 君の望みを叶えてみせるから! 」


 木下は素早く立ち上がる。軽い足取りで移動する。目的地に到着する。


「ちょっといいかな? 転校生の増田さんに聞きたいことがあるんだけど」


 木下は強引に話に割って入る。正章と菜月の話を中断させる。


「ごめん。誰か分からないけど。今、まーくんと話してるから無理」


 菜月はキラースマイルを向ける。満面の笑みで拒否する。


「えっと。少しでも」


「ダメ! まーくんとの話が優先」


 菜月は木下の言葉を遮る。有無を言わせない圧力を掛ける。


「…はい」


 木下は屈する。言葉を失う。トボトボと自分の席に帰る。


「…役立たず」


 流華はボソッと不満を呟いた。

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