一方残ったクラスメイト達は…… ※別視点

 本日(6月9日)の更新が短かったので、同日中におまけエピソードを追加いたしました。

 読み飛ばしなどにご注意ください。


―――――――――――――――――――――――――――――


「おい、お前ら調子はどうだ?」


 全員やつれた顔をしているので、薄々分かってはいるが、ついそんな事を聞いてしまう。

 すると、全員が力なく首を横に振るだけだ。

 まさか、話す気力もないなんて……いや、一番経験があってこういうのに慣れている俺ですら、ここ最近は毎日音を上げているんだ。

 ここに来るまで経験のない奴らばかりだったろうし、一層苦しいのだろう。


 それぞれ好みの女達を選んで、毎日酒池肉林の大騒ぎだったはずなのに、いつの間にかこうしてクラスメイトだけで固まっていたのだから。

 そして、俺もとうとう耐えきれずに合流したと言う訳だ。

 ただ、全員と言う訳じゃなく、数人顔が見えない辺り、ここに来る元気すらないのか、それとも別の理由があるのか……。

 ああ、確かなんか三人くらい別の国に行ったんだっけ?

 どうせ別の国でも同じ扱いだろうから、どうでもいいけど。


岡村おかむら大輔だいすけさーん。休憩は終わりですよー」


 くそっ、もう自由の時間は終わりかよ……。

 とは言え、この呼び出しを断る訳には行かない。

 何故なら、一度普通に文句を言ったら、その後散々嬲られて――ちぃっ、思い出したくねーな。


「ああ、今行くから待ってろ!」


 ぶっちゃけ午前中だけで十五回出してんだぞ、たかだか一時間くらい休憩しただけで、回復するわけねーだろ。

 なんて言ってやりたいが、また拷問を受けたくないので悪態をつきつつも移動する。

 ……、拷問の後普通に勘弁してほしくて丁寧な口調を使ったら、それはそれで怒られたんだよな。

 普通にしろって。


 出来る訳ねーだろ、あんな拷問しておいて。

 後、魔法がどんだけ滅茶苦茶な物か思い知らされたぜ。

 何せ、四肢切断された上で様々な拷問を受けたはずなのに、こうして傷一つ残ってないんだから……。

 くそっ、どうしても思い出しちまって、体が震えてしまう。


「ふふふ、ちゃんとご飯は食べましたか? お薬を増量しておいたので、種は十分出せるでしょ?」


 一見すると清楚に見えるこの女は、しかし、もう死んだ魚の様な目をしていて、ぶっちゃけ怖い。

 けど、俺が選んだ他の女共も似たようなもんだ。

 って言うか、俺達の前に現れたのはこんなんばっかりで……、まだ辛うじて他の連中も喋れた時に話したが、どいつもこいつも似たような感じで搾られているらしい。


 性欲に溺れられたのは、短い奴は三日で俺ですら一か月弱で精一杯だったのに。

 こいつらの欲望はとどまるところを知らないし、拷問を受けた後は遠慮もなくなったのか、一人当たりの回数も増えた上に、知らない女すら毎日増えていく。


「ああ、大丈夫だ。夕食までノンストップで抱いてやる」


 内心うんざり――を通り越して、助けを求めているのだけれども。

 でも、こう言わないとまた拷問されてしまう。

 なら、下半身が激痛に襲われようと、感覚が完全に麻痺して、ちゃんとあるかどうかすら不安になろうと、腰を振るしかないんだ。


 ああ、俺の言葉に笑顔を浮かべるこの女達が――怖い。

 誰か、マジで助けてくれ。

 いくら美人を抱こうと、これじゃぁ性的な拷問と変わらないぞ。

 勿論、本当の拷問より圧倒的にマシだから、こうして無理やりにでも抱くのだけれども。

 食事も滅茶苦茶美味いはずなのに、もう砂を噛んでいるような感じがしている。


 どうしてこうなった?

 好き勝手に女を抱き、美味しい物を食べ、自由に行動できたはずなのに。

 誰一人として自由なんかなくなって、ただただ女を抱くだけの機械みたいになっているじゃないか。


 なんだよこの世界。

 こんな世界なら、俺は、来たくなかった。

 お願いだ……、元の世界に……、帰してくれ。

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