第5話:クイック? いいっく!〜キレのいい分け方〜

テーマ:クイックソート(Quick Sort)


🗃️ シーン:放課後の部室、トレーディングカードまみれ

「これ、全部“推し”じゃないカード。売るか譲るか、並べ直したいんだけど…」


部室の机いっぱいに広げられたのは、真中紗和のトレーディングカードの山。


アニメ、アイドル、謎のロボット。強さ、希少度、デザイン……基準は混在。つまり、カオス。


遥斗が眼鏡をくいっと押し上げる。


「この混沌――アルゴリズムの出番ですね」


「また始まったよ部長の“整列フェチ”」


💻 アルゴ発動:クイックなご提案

「おすすめは、“クイックソート”です。

 別名、“基準カードを信じ抜く方式”とも言います」


🧪 遥斗、説明モードへ突入

「クイックソートの手順はこうだ」


ランダムに1枚、**基準カード(ピボット)**を選ぶ


それより“弱いカード”は左、“強いカード”は右へ分ける


残った山に対して再帰的に同じ処理を繰り返す


最後に全部まとめて“キレイな順”になる


「早い、そして美しい。つまり青春向き」


💡 実践スタート!

紗和が1枚抜き出す。ピボットに選ばれたのは――


「え、これ…私の初めて当てたUR(ウルトラレア)カードじゃん。

 …ピボットって、思い出も分けるの?」


「それがクイックソートのちょっと残酷なとこ。

 でも決めないと進まないのが“選択”ってやつなんだよ」


🧠 アルゴ、割り込みコメント

クイックソートは平均して O(n log n) の高速整列が可能。

でも“基準”の選び方によっては、最悪で O(n²) にもなる。

つまり「どのカードを信じるか」が鍵です。


整理完了

分類を繰り返すうち、カードたちはきれいに並んだ。


「“弱い方”ってラベルつけた山、見てるとちょっと罪悪感あるね」


「“基準”はただの道具。誰が上か下かなんて、整列にしか通用しない」


遥斗は最後に、並びきったカードの一番左を見て、つぶやいた。


「でもこうやって、いろんなカードを一回一回“見て”“分けて”を繰り返すって、

 ちょっと人間関係みたいじゃない?」


🎭 こと葉、ささやきモード

「つまり青春は、“何を基準に人を好きになるか”問題なんだね。

 その基準が変われば、並びも、気持ちも、変わる」


「深すぎるだろ語彙力妖怪……」


🧠 “今日のアルゴリズムまとめ”

クイックソートは、基準(ピボット)を選んで分けていく整列法。


平均計算量は O(n log n)、ただし基準が悪いと効率は落ちる。


「まず“分ける”ことで、“整う”」という考え方がポイント。


❓“考えてみよう”クイズ

カード100枚をクイックソートで整列するとき、最悪だと何回くらい比較する?


「最良のピボット」ってどんなカード? どうやって選べばいい?


🌆 エピローグ

紗和は、ピボットに選んだカードをそっと元のスリーブに戻した。


「やっぱ、これは手放せないな。

 “基準”ってのは、きっと、誰かにとっての“特別”だしね」


遥斗は言う。


「そうだね。整えるために、“いったん分ける”勇気も、

 時には青春に必要なんだ」


次回 → 第6話「小銭×動くメモ=夢 〜ガチャに挑むDP〜」

(テーマ:動的計画法/Dynamic Programming)


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