第44話「弥生おねえちゃん」

「弥生おねえちゃん。いつ、返ってくるかしら」


睦月はメガネを外して言う。いつもメガネをかけているが、実はそこまでの目の悪い人ではない


あくまでもメガネをかけているのは優等生になりきりたいから。という理由。実際は裸眼でも普通に見える


ここは睦月と家族が住んでる家。睦月は夜勤の弥生と呼ばれる姉を待っていた


少し眠いか?いや眠たくない。ただ、姉の帰りを待っているだけだ


私をこんなに大好きでいてくれる弥生おねえちゃん。そんな姉を嫌いになれない


時刻は0時を回ったところか。そろそろ返ってくると思うな


…睦月はなにか聞こえた。間違いない。おねえちゃんが帰ってきた


自室のドアを開けて玄関にそこには金色のロングヘアが美しい女性がいたことを


「弥生おねえちゃん!おかえりなさい!」


「ああ可愛い妹ただいま」


睦月は弥生に抱きつく


「おねえちゃん…待ってたわ」


「ああ…終電逃すと帰れないから急いで帰ってきたぞ」


弥生と呼ばれる姉はすでに就職しており夜勤務めだ


「おねえちゃん…お腹すいた?」


「ううん。大丈夫だ」


弥生は靴を脱ぎリビングに行く


リビングに着くと2人は仲良く対面で椅子に座る。その間に睦月は冷蔵庫にあるお茶を用意して弥生に渡した


「睦月。委員会はどうだ?」


「うん。何事もなく進んでいるわ。なにかあっても人数が多いからあまり問題にもならないのよ」


「ははは。数は力なりってか」


お茶を飲む弥生


「おねえちゃん。卒業してバーに就職したの驚いたわ」


「ああ。バーは意外と変な客はいねえんだ。静かで紳士の多い、そんなところさ」


ニコニコで言う弥生


「でもたまにアタシにナンパする客もいるが全部断っている。睦月がいるのにぶざけんなってやつだ」


「そうなの。おねえちゃん可愛いからそうなるのよね」


身長の高い弥生。睦月の目を見て話す


「まあ、バーは夜勤が基本だから時給がいいのさ。しっかり働けば困らない金はいっぱい増える」


「いつか私も就職したいわ」


「睦月。お前はすぐに就職ではなくて大学に行ったらどうだ?頭が良いお前は大学へ行くべきだ。バイトだってできるぞ」


うーん。とは思ったが姉に言う通りだろう


「ええ。大学へ行くわ」


「それでいい。それまでにしっかり稼いでお前と一緒に住むことにしような」


うん。睦月はうなずく


「ふう…さすがに疲れたから眠たいな」


「弥生おねえちゃん、一緒に寝ようよ」


そう言うと笑顔になる弥生


「ありがとな。お前と寝たい。着替えてくるから」


いつも可愛いパジャマで寝る弥生。だからこそ可愛いと思うのだ


「行く前に…キスして?」


「ああ」


2人は見つめ合い、キスをした。これが睦月にとって嬉しい表現なのだ


「大好きよおねえちゃん」


「アタシだって睦月のことが大好きだ」



(だからアタシは頑張れる。この可愛い妹がいるのだから)



終わり



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