第2話 幼駒購入①
馬主になったは良いが、何して良いのかわからない。
いや、幼駒や牧場を購入しなきゃいけないことはわかるんだけど、伝手自体がないから困る。
仕方がないので競馬関係者に伝手のある秘書や売りに出ている牧場探しを始めた。
秘書はハローワークに募集しても人が集まらなかった。
100ha以上ある馬産の牧場もどうやって探すのかわからなかった。
どうしようかと思ったのでJRAに問い合わせると馬主協会というものがあるらしいので、そこに入会して相談してみるのが良いかも知れないと言われた。
早速、馬主協会に入会して相談してみると奇特な何人かの馬主から人材の紹介を受けた。
何人かの紹介された人の面接した結果、秘書検定の資格は持っていないが馬主秘書の経験があり、牧場や厩舎にそれなりに伝手があり馬の扱いもできる23歳の
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早速、秘書2人の伝手を頼って中古牧場か新規に牧場を建てられる場所探しをして貰う為に呼んだ。
「馬場さん、宮村さん、よく来てくれました。早速だが頼み事があります」
「何でしょうか? あ、出来れば堅苦しい言葉を止めて下さい。後、名前の桜花で呼んで下さい。その方が信頼関係が早く築けると思いますので!」
「あ! 私も同様に名前で呼んで下さい。それと堅苦しい言葉を止めてフランクでお願いします」
「え? あ、そう? じゃあ単刀直入に言うけど牧場を購入したいんだ。出来れば100ha以上あって周囲に開発されていない土地のある拡張可能な土地付きの牧場が欲しい。牧場じゃ無くても牧場に出来る土地だけでも条件に合えば良いので伝手を使って探してくれないかな?」
「探してみますけど、難しいですよ?」
「私も同様です。そんな大きな土地なら牧場で売りに出てる所があるかどうか分かりません」
「それ以外にも不動産会社で探して貰うつもりだけど。何とか継続して探して欲しい」
「わかりました。けど、期待はしないで下さいね!」
「同じくです!」
そう厳しく言われても少しは期待する俺だった。
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3月を過ぎて幼駒が生まれる季節になって来たので日本の小さな牧場から大きな牧場まで一通り電話して挨拶と行ける日のアポを取ってくれるように頼んだ。
その際に生まれた子馬と妊娠中の母馬の写真をメールで送ってくれるように頼み込んだ。
また、牧場に行く際には妊娠中の母馬も全て見せてくれるようにと頼みこんだ。
しかし、アポが取れた牧場は大手はともかくとして中小は殆ど相手にされなかった。
前日から1日目
寒冷地仕様のBOXカーが新車で納車予定日を3月に合わせておいたので、手に入った新車で寒冷地仕様のBOXカーで北海道の牧場に向かう。
最初はフェリーを下りた場所の苫小牧西に近い近場から回っていく。
馬の資料を見てある程度絞ってはいるが、何処に掘り出し物の馬がいるのか分からないので結局は子馬に妊娠中の牝馬を見せてもらう。
数件回った後にホテルで寝て翌朝に彩芽の実家の牧場に着いた。
「お父さ~ん、お母さ~ん、この前の電話でアポした新米馬主のオーナーが来たよ。家で一番良い幼駒を見せてあげて。ついでに妊娠してる牝馬も!」
「あれま、これは遠い所よく来て下さいました。娘がお世話になっております」
「いえいえ、此方こそ娘さんには日頃から世話になっています。これどうぞ、お土産です」
そういって地元で有名な洋菓子を2箱渡した。
「これはこれは、どうも有り難う御座います。良かったら家の幼駒や妊娠してる牝馬を是非見て言って下さい」
「有り難う御座います。それでは拝見させて頂きます」
そう言って俺は彩芽の実家の牧場の幼駒や妊娠している牝馬を時間をかけて見て行った。
う~ん、これといって良い幼駒はいないな……え! あの幼駒は何だ! 青毛だと思うが見た目は悪い。だが、今までで一番才能がありそうだぞ! しかも種牡馬になっても大活躍しそうだ!
「すみません。あの子馬はどういった血統ですか?」
「あー、あの幼駒は昨日生まれたばかりで血統は確か純日本馬産駒で有名所の馬は入っておらず、種付け料も5万円だったので地方馬として生産した幼駒で零細血統というか絶滅危惧種血統になりますね」
「気に入ったので購入したいのですがお幾らですか?」
「地方馬で考えていたから、よく行って100万円が限界だと思っています」
「それでは150万円で購入させて頂きたいのですが、宜しいですか?」
「此方が限界だと思ってた以上の値段で購入してくれるなら言う事無いです! ありがたいです。契約成立させて頂きます!」
「此方こそ有り難う御座います。あ! これ支払いのお金です。領収書下さい。幼駒の名前は日本にちなんで神楽――カグラでお願いします。」
「わかりました。それでは書類に書いていって下さい。書き方は教えますので」
そうして俺は四苦八苦しながら書類を書いていった。
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幼駒たちの購入編①です。
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