R18要素あり

第16話 その体で俺だけに触れて

「……ほんとに、ここにいるんだな。俺」


ベッドの上、寄り添う身体。

蓮は悠真の胸元に顔をうずめながら、小さく笑った。


「当たり前だろ。ほら、こうやって──」


悠真が手を伸ばして、蓮の頬を包む。


あたたかくて、柔らかくて、確かに“触れている”。


「……ん、くすぐったい」


「こうすれば、もっとわかるか?」


唇が、そっと触れた。

頬、まぶた、鼻先、そして──唇。


「……ちゅ、……ん」


蓮の身体が、びくっと震える。


「悠真、ちょっと……やばい、今、変に体が熱くて──」


「いいよ、ビビるくらい感じて。やっと触れられんだ、俺」


「……ん、悠真……」


キスが深くなる。

熱が移る。

指が、蓮のシャツのボタンをひとつ、またひとつと外していく。


「こんなに細かったっけ……」


「……っ、そんな見ないでよ……恥ずかしい」


「全部見せろよ。いまさら何言ってんだ」


「ばか……」


照れながらも、蓮は目を細める。

触れられるたび、感じるたび、実感する。


──俺は、ここにいる。

──悠真に、抱かれてる。


「……あっ、ん……」


甘い吐息がこぼれるたび、悠真の目が熱を帯びていく。


「かわいい声……もっと聞かせろよ」


「や、だめ、そんなん、恥ずか──んっ、あ、ぁ……!」


首筋にキスが落ちて、耳たぶを甘噛みされ、背筋が跳ねた。

手のひらが腰を這い、脚を開かされるたび、蓮の目に涙が滲む。


「……悠真、俺、やばい……」


「俺もだよ。……ずっと、こうしたかった」


「んっ、や、そんな奥──っ……ぁ、すご……」


指が、舌が、熱が、すべてを侵していく。

蓮の身体は、ひたすらに受け入れて、震えて、感じて。


「悠真、好き、好きだよ……」


「俺も……世界で一番、お前が欲しい」


どこまでも深く、どこまでも甘く、

重なり合った2人の“今”は、もう誰にも壊せない。


──明け方、

息を切らして抱き合ったまま、蓮がぽつりと言った。


「これから、毎晩お願いしてもいい?」


「……調子乗んな」


「えへへ、悠真のくせに顔赤い」


「うるせぇ、黙って寝ろ」


でもその声は、少し笑っていた。

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