『たがための年金術士』 9
ブラームスさまの『交響曲第1番』が持つエネルギーは、おそるべきものである。
それは、まず、理想像の音楽そのものとしての潜在的なエネルギーがあり、それが演奏されることにより生じる実体化エネルギーを生み出し、さらに、それを聴衆が聴くことにより発生する感動を巻き込んだ爆発的なエネルギーに変換される。
それは、いずれにしても、凄まじいものである。
戦時期の日本政府は、音楽をわりに甘く観ていたが、ロシア政府はその恐ろしさをよく知っていた。
だから、シベリウスさまの『フィンランディア』の公開演奏の妨害に入ったりもした。
フルトヴェングラーさまの演奏は、確かに古くはなったが、その放つエネルギーは凄まじい。
そうして、いまや、現代の音楽再生装置の革新性をぶつけたわけである。
なので、あなたは、いま、ブラームスさまの『交響曲第1番』を、聴くべきである。
フルトヴェングラーさまではなくて、ベームさまでも、カラヤンさまでもバーンスタインさまでもよい。
それらの力の総体が、この神秘の『箱』に働きかけるのだあ!
第1楽章。 ウン ポコ ソステヌート~アレグロ
あたまから、序奏部の凄まじい響きが襲ってくる。当然そのスターはティンパニの連打である。
『あ、震えた?』
誰かがつぶやいた。
そうだ。たしかに、『箱』は、震えたのだ。ちらちら。と。
それも、連続してだ。
『明らかに、動揺しているわ。』
アンナ・シマーヤンが緊張してきていた。
シマーヤンは、再生音楽には、やや、懐疑的である。
しかし、いまは、それなりに、かなり期待をしていた。
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