魔族と戦い、死んだ俺は女神と夫婦となり。幸せに過ごしていたが、仲間達のその後が気になり、2000年後に転生する。〜〜転生先で仲間達の子孫に出会う〜〜
秋街葡萄(あきまち ぶどう)
第1話
「おいっ…レイス、お前は父である。この私に恥を欠かせ、一族の名に泥を塗ったにも
関わらず。二人の妹にまで…手を挙げるとは
お前には、愛想が尽きた。もう何処にでも」
行くがいい―――」
そう言う、父は、もう僕には、興味が無いかのように、妹達と、談笑している。
その光景に僕は、内心で「よっしゃぁー」と
思いつつも、決して。顔には出さぬよう
その場から立ち去るのだった。
あてがわれていた部屋に戻ると。
既に家具やらは撤去され……部屋の中は
只々広い空間があるだけだった。
「ふんっ!やっと、貴方のような無能が、
居なくなるのね!」
「よかった。よかった―」
俺は、妹達に説明しようとするも。
妹達は、「キモい」ヤら「うざッ!消えてくれないかしら?」と言う言葉を投げつけてきた。
そんな二人に、遂に愛想が尽きた俺は、
「あっそう。だったら、好きにしろ。俺は
知らないからな。――だって、俺は、この家追い出されるんだからな?」
「いくわよ!」
「あ、待ってよー。姉さまー」
部屋から出ていく二人を見て、俺の心の中は
少しだけど……スッキリしていた。
「みんな、さようなら。こんな僕を、育ててくれた事には、恩はある……だけど――
もう。恩を返す義務はない!」
そう、誰もいない部屋の中で、呟くと
静かに扉を締め。長い廊下を歩いていると
何人かのメイドとすれ違う――
だが、誰一人。俺には気が付かついていないようだ。
だけど、俺は、そのまま歩き続け―――
エントランスまでやって来ると。
その場で振り返り、「ありがとう…ございました!」とお礼を言い。
屋敷を後にするのだった。
「あいつ。なんなのよ!せっかく。この私が―――」
「ふぅふぅ〜。やっと追いついたー。もう。姉さま酷い!?私を、おいて行くなんて」
「あら?そうだったの?ごめんなさい……
気が付かなかったわ。」
「うわぁ~。姉さま………ひどーい!!」
「もう。謝ったでしょ?いつまでも、拗ねてないで、ほらっ!」
「うわぁぁぁー!ね、姉さま!まさか…これって。」
「えぇ、そうよ。」
「すごいすごい!さすが、姉さま!あの無能とは違うわ!」
「あ、当たり前でしょ?私を誰だと、思ってるわけ?」
「そうだった――」
(あぁ。私、お兄ちゃんに、酷いことを言うつもりじゃなかった。けど、気がついた時には、言ってしまっていた。 だけど、アレは私の本心じゃないの?…信じてお兄ちゃん。
)
(わたしの、お兄様!)
そう、自分に言い聞かせる。二人だったが
まだ、その兄が、もう既に、屋敷には居ないことなど、知る由もなかった。
そんな俺はと言うと、屋敷から出てきのは
良かったが。これからどうしたらいいのか?
まったく……考えていなかった。
「まぁ、何とかなるか!とりあえず。今晩の寝床をさっさと、決めないと」
「おっ!あの洞窟なんていいじゃないか!
よしっ!寝床はここに決めた! 次に食料か―――しまった!?持ってくるのを忘れていた。このままでは、餓死してしまう。そうなる前に、なんとなしないと―――」
――ガサガサガザガザ!?
「!?だ、誰だ!?出てこい!」
「ヒァァァ!? わ、わたわた――」
「落ち着け。誰も取っては食わん。」
「ほ、ほんと?ですか?」
「あぁ。」
「よ、よかったぁ~〜。はっ!? わたしは
レティーナと言います。」
「俺は、レイスだ。よろしく。ミルフィーナ!」
「呼びづらいですから……私のことは、ミルフィって呼んでください。」
「あ、うん。わかった……ミルフィ――」
「はいっ!ふつつか者ですが、よろしくお願いしますね?レイス。」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「はい。次の人どうぞ〜〜!」
「……」
「本日は、どんなご用件でしょうか?」
「冒険者登録がしたいんだが……」
「わたしも、わたしも……」
「分かりました。お二人ともですね? では、こちらの書類に、書けるところでいいので、書いてもらえますか。」
「「はい。」」
しばらく経ち。
「書けました。」
「わたしも書けました……」
「じゃあ。確認するわね? ふむふむ…ふむふむ。なるほど。よしっ!」
「二人とも確認が終わったわよ」
「「ど、どうでしたか?「です?」」
「二人とも、合格よ!!」
「そ、それじゃあ!」
「えぇ、二人とも、ようこそ!!冒険者ギルドへ」
「ありがとう…」
「ありがとうございます」
「それでは、こちらはあなた達のカードになります。いいですか!くれぐれも。無くすなんてことをしないでくださいよ! 作り直すのだって面倒くさいですので?もし――――
無くしたら、どうなることでしょうね?」
「ヒィィィィィ!?わ、分かりましたぁー」
無くしません!」
「よろしい。でっ?貴方はどうなんですか!」
「あぁ。もちろん。無くさいと誓おう!(まぁ、屋敷にいる時から、物は無くしたりしたことはないけどな!)」
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