役者の墓場
@maturi999
第1話
役者の墓場。
私は役者…
私は役者…
そう私は暗闇の中。目が閉じたまま…
そうよ次私が目を開けるときっと明るい世界が待ってる。
きっと素敵な役。
役者仲間も、観客も!皆が待ってる!
見惚れる私の姿によ!!
私は生まれた。
そうこの役者達が集う世界に
確かに世界は明るかったわ。役者仲間もわんさかいる。
でも見てよこの状況?
なに?あっちの路地でもこっちの広場でもセックスパーティー!奇声のオンパレード!
私生まれてこの方数秒しか経ってないのにコレは何ナノ???
後ろ手にさっきまで居たと思われるエレベーターのような所に帰りたくなってきた
扉は閉まっていて、次の役者が生まれるまで開きそうにない…
「訳が分からない…」
とりあえず街の中を歩く事にした。
床も建物も空の色も白っぽいグレー。
そこに役者達の服は色とりどりで、目立つ。目立つ。
極めつけにそこかしこで派手に乱交パーティ!
何かの冗談???!
パニックを通り越して呆れてきた
そうしていると急に声を掛けられた
「メイリー!」
なんとも聴き馴染みのある名前。
あ、私か
ジェイシー「メイリーせいじんして生まれて来たのね!待ってたわ親友!」
メイリー「ちょっとジェイシーそんなに抱きついて…」
初対面の筈なのに昔からの親友だって解るのは何でかしら?
メイリー「それよりジェイシーこれ、何の冗談?皆クスリでもヤッてるの?」
ジェイシー「あーこの状況?私が生まれた時からこんな感じだったわよ?ちなみにクスリはヤッてない。と言うかクスリはこの世界にはない。」
メイリー「ナチュラルに狂ってるわけ?」
ジェイシー「そうそう。この世界?街にはこれくらいしか楽しみが無いのよ」
メイリー「皆…役者として生まれて来たのよ!どうしてこんな…」
「メイリーじゃないか」
ん?誰だっけ?
ジェイシー「マーク!メイリーがさっき生まれたの」
メイリー「…ぁあ!マーク!そう私さっき生まれたの!」
マーク…そうマーク!確かジェイシーの彼氏。
優しい性格だけど、パッとしない。
マーク「おめでとう!と…言いたいけれどこの状況じゃあ素直に喜べないよね」
メイリー「何でみんな自分の舞台に行かないの?…その、生まれたらすぐ舞台に行けるのかと…」
マーク「皆呼ばれないのさ。一度もね」
ジェイシー「あの広間の奥に赤くて大きい扉があるでしょ?多分あの奥が舞台なんだけど、あの扉なにしたって開かないのよ」
マーク「真反対のとこに裏口みたいなのはあるけど警備スタッフがいてね。抜け出してもすぐ取り押さえられる」
メイリー「何それ!まるで監獄じゃない!それか墓場。」
ジェイシー「ホントそうよね!でね?聞いてメイリー私貴方がこの物語の【主役】だと思うの」
メイリー「どうゆうこと?」
ジェイシー「裏口の門にはねこんな噂があって、【主役】は裏口の門を通って出ていけるってね」
マーク「ジェイシーは前に裏口の門から抜け出したんだけど直ぐ取り押さえられちゃってね」
ジェイシー「メイリーがその扉から出るのよ!」
メイリー「待って、そんな話堂々として大丈夫なの?」
ジェイシー「大丈夫、皆セックスに夢中で聞いてない」
メイリー「…ホントだ。じゃあ早速裏口の門目掛けて行こうかな!」
マーク「メイリー待って、僕たち2人が先に飛び出す。警備が僕達に気を取られている間に君が行くんだ」
メイリー「二人とも…いいの?」
ジェイシー「当たり前よ!親友!行ってきて向こうの世界に。メイリーは好奇心旺盛で勇敢。そんなとこが好きなんだから」
メイリー「ありがとう。ジェイシー!マーク!」
3人は裏口の近くの路地裏に身を潜めた。
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