第14話 魔法少女マジカル冥土マイ

 ーゴトー編 1ー


――

ゴートー編です。

別作品参照

(簡単概要があるので別に読まなくても大丈夫です)


「ゴトー」こと「後藤十三」は、タケル、アヤカ、ノゾミの父親です。

――


ー簡単概要ー


「勇者」と勘違いされ「テラウス」星へと神龍から召喚された「後藤十三」。

地球での職業は「暗殺者」。「テラウス」星でのジョブは「暗殺者」。

LV上限突破。現在LV110。

地球年齢72歳。神の若返りから現28歳。


カスピス秘境で元宮廷魔術師「シーナ・アルフレッタ」と出会い行動を共にする。

(シーナは呪いを掛けられ幼子。見た目10歳前後。実年齢68歳)


テオタビの街に向かう途中、

冒険者との出会い。

「真龍神教教団」との闘い。

紅龍との闘いを経て、

現在はシーナの拠点のホトライト領、タイザーの街を目指している。


使役(テイム)。

魔獣 魔虎ブラック・ヘル・タイガー(縞模様が暗黒色)「トラキチ」

魔獣 魔犬ケルベロス(三つ首)「ケルロー」

魔物 スライム 「スイスイ」


紅龍の仔 (現在の大きさ中型犬サイズ) 「リュウノスケ」


備考

「後藤十三は」地球ではハードボイルド系です(獣耳尻尾好き)。

――



山の麓。


大雨。

半径10メートルの大樹の洞へと退避。


『キュッキュキーキー♪』

元気に動き回る仔龍のリュウノスケ。


「ビショビショじゃ。

ここら辺の地域は天候がコロコロ変わるのじゃ」


シーナはスキル「乾燥」でリュウノスケ、ゴトーの従魔、

半透明人型のっぺらぼうのスライム、スイスイを乾かす。


リュウノスケ 『キピーー♪』

トラキチ 『有難うございます、シーナさん』

ケルロー 『『『サンキューな、シーピョン』』』

スイスイ 『お、悪いな』


上半身裸、腰には野草で作った腰蓑を装着のゴトーは、


「急ぐならこのまま先を強行突破するが」


「順当に進んでるでの。少しくらい休息でええじゃろ」


「そうか」


「ところでゴトーよ」

「何だ」


「「すまほ」でミックの「○本桜」を見せるのじゃ」


「・・・・・」


「ほれ、コイツらも喜ぶじゃろし」


飛翔回転するリュウノスケ。 『キョピー♪』 

手を上げ踊るスイスイ。 『あるじ、ききたい!』 


「昨日の夜、26回のリピートで、スマホに充電がない」


「そ、そうか…」


『キュー』 ↓

『ノー』 ↓

トラキチ、ケルロー <<シュン>> 


「じゃあ、「たぶれっと」を見せるのじゃ。

残りのネッズ・ランドのはまだ見せてもらってないぞ」


――

(参照)

第43話 「夢の国」 

――


「一度やったネタ、それでは衝撃は与えられないだろう」


「ねた?」


「このままでは影が薄く、出番が少なくなる。

主役の座も奪われたことだしな」


「…しゅやく?」


「しかし、シーナや従魔に動画を見せ反応を楽しむのも話し的に有りだな」


空間収納からタブレットを出し、電源を入れる。


「○空ひばり、○doのコンサートか?いや、これはまだ早いか。


洋画であるのは、○ランティーノの映画。

現代劇はここの世界観的には無理か・・・。

いや、○ャンゴや○イトフルエイトなら・・・。


アニメのラインナップは鉄板、これは後々にするとして、


これは編集中のラーメン動画か・・・。ん?これは・・・」


「おい、早ようせい」


「これは個人用で決して他人に見せることはない動画だ。

ここで見せるのも一興。特別に公開しよう」


シーナ、魔獣、魔物、仔龍はタブレットの前に集結。


「この動画は、俺の行きつけの馴染みの店」


「お、美味い酒を呑ませる酒場か? チキュウの酒、興味があるぞい」


「軽食を食す所だ」


「飯屋か?」


再生。


――――――――――――

映像には秋葉原の街並。行き交う人々。

――――――――――――


「前に見せてもろうた街か? それよりメッチャ人おるのう。祭りなんか?」


「祭りではない。これでも平日。休日になるとこの数倍の人出だ」


「王都より人がおるぞい…」


――――――――――――

裏道の路地を歩くゴトー視点の映像。


ガラスの反射で、コートにマスク、サングラスの全体像。

――――――――――――


「これはゴトーか?」


「そうだ」


「頭にネッズの耳はないんじゃのう」


「それはネズミランド限定だ」


――――――――――――

カメラの映像は、ピンク色の店舗の前で停止する。


サイド・ボードには「魔法少女マジカル冥土マイ」。

――――――――――――


「なんじゃこの派手派手しい桃色の建物は?」


「「魔法少女マジカル冥土マイ」の公式2,5次元メイド・カフェだ」


「メイド、かふぇ? 魔法? チキュウには魔法はない言うとったろう」


「魔法は空想世界の物語、これはただの設定だ」


「チキュウ、そんなん多いのう」


「このメイドのキャラクターは10年前にアニメ化され、根強いファンに支えられ今だに人気のある作品だ。

第1期当時、初回特典の「声優イベントチケット優先販売申込券」会得の為、

プレミアム特典のブルーレイを購入したのはいい思い出だ」


「…いつものごとく、なんも意味分からんぞ」


――――――――――――

5人の少女。

赤色、青色、黒色、灰色、紫色のメイド服の等身大のパネル。


スピーカーから、

[この外道らめ! テメーら纏めて冥土に送るってやるわよ!]

――――――――――――


「なんか物騒なこと言っておらんか?

この「メイド」と「冥土」被っとるが何ぞ意味あるんか?」


「キャッチコピーが「死者の霊魂よ、メイドが冥土へ逝かせます」だ」


「???」


――

 (注)

「翻訳」スキルでシーナ、魔獣は言語を理解できます。

――


――――――――――――

派手な彩色のドアを開くと、若いメイドの娘が出迎えてくれる。


『お帰りなさいませ、ご主人様! お待ちしておりました。お屋敷に案内いたしますね!』

――――――――――――


「なんじゃ、ゴトーの家だったんか? メイド雇っとる?」


「ここは店で俺は客だ」


「客?」


「メイドが接待する店だ」


「この小娘が、奉仕じゃと……」


「メイドは、

[マイ 魔法使い見習い 剣闘士]

[ミイ 精霊使い見習い 妹系 癒し担当]

[ムイ 黒魔術士見習い 闇落ち悪魔]

[メイ 魔法使い見習い 殺し屋]

[モイ 魔法使い見習い 忍者]


見習い魔法少女5人姉妹が、メイドカフェでバイトをしながら悪と闘う話しだ」


「…メイドが、闘う、じゃと」


――――――――――――

案内され席に着くゴトー視点。

メイドが笑顔で接客する。


『ご主人様、長旅ごくろうさまでした。

街の妖精さんから、ご主人様が帰宅すると聞いて楽しみにしてました!』

――――――――――――


「街の妖精、じゃと…?」


――――――――――――

『うれしー! 今日はたくさん萌え萌えチャージしていってくださいね!

キャー、ドキドキー ドンドンドン、パフパフ!』


笑顔で踊るメイド。

――――――――――――


「ゴ、ゴトーよ…」

「何だ」


「この小娘、ちょっと頭がいかれとるんじゃないんか?」


「偏見はよくないな。これは立派な接客だ」


「これ、接客なんか?」


「メイドの鑑と言えよう」


「………」


――――――――――――

『本日の萌え萌えメニューはいかがなされますか?』


ゴトーの声。

「「マイのオムライス」、

「メイのパンケーキ」、

「ミイちゃんのミックちゅ・じゅーしゅ」を頼む」」


『ありがとうございまーす! しばらくお待ちくださいね!』

――――――――――――


「ほんに飯屋なんじゃな」


「うむ」


「…チキュウ、よう分からんわ」


――――――――――――

壁には動物の絵。

――――――――――――


「ネッコ、ウッサ、イッヌの切り絵が貼っとるの。

お、これはゴトーが椅子の背に書いた絵と似とる」


「ミイちゃんのお絵かき。そこからインスパイア。トレースをさせてもらった」


「ゾウさんもおるの…」


――――――――――――

赤色メイドのマイがトレイに乗せたオムライスを持ってくる。


『お父さん! 長旅ごくろうさまでした!』

――――――――――――


「ん?…父さん?」


「仮の設定だ。もちろんオプション、追加料金だ」


「………」


――――――――――――

『はい、マイが愛情たーっぷり込めて作ったオムライスです!』


マイはケチャップでオムライスに絵を描く。

――――――――――――


「おい、血でなんぞ描いておるぞ!」


「ピーピーピヨピヨ、マイのヒヨコさんオムライスだ」


「ぴーぴー、ぴよ? あ、ウッサの絵じゃ。ヒヨコなのにウッサの絵?」


――――――――――――

メイドは笑顔で言葉を発する。


『おいしくなーれ、おいしくなーれ、萌え萌えキュン!』

「萌え萌えキュン」 ←ゴトーの声


『ドキドキ ドキドキ萌え萌えキュン♪』

「ドキドキ ドキドキ萌え萌えキュン」 ←ゴトーの声


『ワクワク ワクワク萌え萌えキュン♪』

「ワクワク ワクワク萌え萌えキュン」 ←ゴトーの声

――――――――――――


「なして復唱しとるんじゃ?」


「ここでのルールだ」


「この小娘は食いモンに呪文掛けとるんか?」


「萌え萌えキュンキュンという愛情スパイスだ」


「スパイス? これで飯が美味くなるんか?」


「気持ち的にな」


「………」


――――――――――――

オムライスを食べ終わるゴトー。


『ゴロゴロニャ~ン。お父さん、おこづかい欲しいニャ~ン』


ゴトーは財布から万札を取り出し渡す。


『お父さん、大好きー』

――――――――――――


「………」


「次はメイの、くまたんパンケーキだ」


「くまたん…」


――――――――――――

灰色メイド、黒髪ポニーテールの目つきの悪い美少女が、

乱暴に皿をテーブルに置く。


<カチャン> 『喰え』

――――――――――――


「お、おい、このメイド、客に対してなんちゅう態度じゃい」


「この子はメイ。この冷たく蔑む接客が人気のメイドだ」


「は? こんなん引っぱたかれても文句言えんじゃろ」


「だが、これがいい」


「………」


「この子は殺し屋という設定。性格はツンデレだ」


「つん、でれ?」


「普段は不愛想で「ツンツン」、ふとした拍子で「デレデレ」と甘える属性だ。

まだデレは1度も引き出せていない。攻略難度はSSSクラスと言っても過言ではない」


「この小娘は、魔王並みなんか?」


――――――――――――

くまたんパンケーキを食べ始めると、

メイは向かいの席に座って脚を組み、ガン無視でスマホを弄ってる。

――――――――――――


「接客はせんのか?」


「この子はこれでいい」


「………」


――――――――――――

食べ終えると、

『チッ』

睨み、舌打ちをして皿を下げるメイ。

――――――――――――


「ムカッとせんのか?」


「ある意味ご褒美だ」


「……」


――――――――――――

『じゅうぞー^^』


青色メイドの小さいメイドの子が、トレイにジュースを運んでくる。

――――――――――――


「お、今度は小っちゃい子が。ん?ケモ耳?」


「この子がミイちゃん、付け耳だ」


――――――――――――

『じゅうぞー^^  あっ!』


ミイは段差に躓き、コップのジュースをゴトーの股間、脚にこぼしてしまう。

ミイは立ち上がり、


『エーン エーン』 (><) (泣)


ゴトーの手がミイちゃんの頭を撫で、


「よしよし」


『グズ、グス、エヘヘへ^^』

――――――――――――


「………」


「ドジっ子段差で転ぶ、ドジっ子ミイちゃんだ」


「いや、これドジで済ませられるんか?」


――――――――――――

ミイが再度ジュースを持ってくる。


『じゅうぞー^^  あっ!』


躓き、ジュースを頭からかぶるゴトー。


『エーン エーン』 (><) (泣)


ゴトーの手がミイちゃんの頭を撫で、


「よしよし」


『グズ、グス、エヘヘへ^^』

――――――――――――


「ゴトーよ、ワッチらは一体何を見せられておるんじゃ」


従魔、リュウノスケも目が点。


「一種の形式美だな」


「これ、形式美なんか?」


――――――――――――

ミイはインスタントカメラを持ち、


『チェキしよー^^ チェキしよー^^』

――――――――――――


「ちぇきって、何じゃ?」


「ツーショット撮影だ。カメラで一緒に写真を撮ってくれる。1枚3000円、大銅貨3枚程度か」


――――――――――――

<カシャ カシャ カシャ>

<カシャ カシャ カシャ>

――――――――――――


「おいおい、けっこうええ値段になるんじゃないんか?」


――――――――――――

他のメイドも集まり、メイド5人とチェキ会が始まる。


<カシャ カシャ カシャ カシャ カシャ カシャ

カシャ カシャ カシャ カシャ カシャ カシャ・・・・・・>

――――――――――――


「この時は、チェキ写真だけで金貨2枚分 (20万円)は飛んだな」


「いや、これもうボッタじゃろ」


「・・・・・」


「なんか、不思議な空間じゃの」


「仕事(暗殺家業)で心が荒む、ひと時の安らぎの場所だ」


「ゴトーは、チキュウでは暗殺者なんじゃよな。

ケモ耳の「すてっか」とか、なんか、ギャップが凄い、いうか……」


「仕事とプライベートは別物だ。

こういう場所でリフレッシュしてこそ明日への活力が漲るというものだ」


――――――――――――

<カシャ カシャ カシャ カシャ カシャ カシャ>

――――――――――――


「休まるんか、ここ?」



――――――――――――

『ご主人さまがお屋敷を出発する時間になりました。さびしいですー』

『また寄ってください、明日にでも』

『名残惜しいです』

『じゅーぞー、エーン エーン』(><)(泣)

『チッ』

――――――――――――


「ここの飯屋、1回でなんぼ使うんじゃ?」

「30万、金貨3枚分か」


「メッチャするのう」

「あと3回通えば特別プラチナカードだ」


「太客じゃの…」


――――――――――――

『ご主人様のお帰りです。お気を付けてー』

『またいつでも帰ってきてくださいね、明日にでも』

『行ってらしゃいませ、ご主人様』

『じゅうぞー、ばいばい、またね~^^』

『チッ』

――――――――――――


映像はそこで終了する。


「チキュウの店はこんなんばかりなんか?」


「これはチキュウの日本の文化、浸透している」


「こんなん乱立しとるのか? 

金がなんぼあっても足らんぞ。コワイとこじゃのチキュウ。

んー、ワッチはそこまで惹かれんの。

塩対応じゃったが、くまたんのパンは喰ってみたいのじゃ」


「日本に行けるようなら、くまたんパンケーキを食べに店に訪れよう」


「いや、行けんじゃろが」


――

  (ピコーン!)

近い将来、ゴトーとシーナとスイスイは、 

「魔法少女マジカル冥土マイ」カフェに訪れることになります!

――


「ゴトーは誰が好みなのじゃ?」


「殺し屋のメイだ」


「ツンデレ娘か。「喰え」と舌打ちしかしとらんかったな。無口でなんとなくゴトーと雰囲気が似てるの。そこが共感できるいうわけなんか?」


「正確にはこの2,5次元の子ではなく、アニメの方のメイを推している」


「あにめ言うたら「ミック」や「○風おーるばっく」のような動く絵じゃな。どんな子じゃ?」


「残念だが、このタブレットのアニメには、

「○の谷のナウシカ」

「○空の城ラピュタ」

「○殻機動隊」

「○河英雄伝説」

「○と香辛料」

「○好きの下剋上」

「○生したら剣でした」

「○まクマ熊ベアー」

「○画大好きポンポさん」

「○女戦記」

「○イドインアビス」

しかない」


「よう分からんが、この魔法少女はないんか?」


「海外用のスーツケースのタブレットには全シーズン揃っているが」


「ないんか…」


「いま閃いたが、実物を出現することができるかもしれない」


「?」


ゴトーはスキル、ギフトを確認、考察をする。


「「コピー」 「模写」 「変化」 「擬態」 「変装」スキル。

いくつかの混合で可能と思うが、

試してみるか。・・・メイ [変身]」


<ボンッ!>


「うおっ!」


アニメ絵の2次元、ポニーテール美少女のメイに変身。


「この姿がメイだ。いや、メイよ」


アニメ絵の等身大の実物のメイが、人のようにカクカクと動く。


茫然とするシーナ。


『『『『………』』』』 ←従魔&リュウノスケ


ゴトーはスマホを持ち、カメラ反転で姿を確認する。


「間違いなくメイだ。いや、メイよ。

まさかスキルで完全再現できるとは思わなかった、わ」


「服は再現できんのか。

「すまほ」も腰蓑もなして動く絵の色になっとるんじゃ?」


「そこは俺にも疑問だ。そういう補正、修正なのかもしれない、わ」


「めんこいはめんこいんじゃが、この空間に立体で色の絵が動くんは不気味で、違和感ありありなんじゃが」


「確かに、これでは周りには溶け込めないな。いや、溶け込めないわ」


「いちいち言い変えんでもええわ」


リュウノスケとスイスイは動く立体アニメ絵に拒否、シーナの後ろで怯えている。


「魔物も固まっとるぞい」


「それは看過できないな。2次元 メイ[変身]」


<ボンッ!>


メイド動画の、メイと瓜二つの実物の美少女が現れる。

服の再現はなし。


「ゴトーが黒髪ポニーテールの美少女になったー!」


「メイド服までは再現されないのか・・・」


『キュゥゥゥゥウー』↑ (ハート目)

『メェエエエイ』↑ (ハート目)


「これにはリュウノスケもスイスイもノックアウトじゃわ!恋に落ちとるわ!」


「種族が違えど、美少女は正義ということか。

この子は演者で国民的美少女にも選ばれた実力者だからな」


「凄い魔法じゃ。ある程度変貌できるギフトはあるのじゃが、大きさまでは変えられんぞ。こんなん見たことも聞いたこともないのじゃ」


「この変身は質量まで変えられるか。これは重宝しそうだ」


「一気に目が優しくなったのじゃ」


「今までの姿は目に厳しかったのか?」


「ブツや天狗じゃぞ。「精神耐性」がなかったらとっくに病んどるわい」


「・・・・・」


「おっと、そのままじゃダメじゃ」


シーナは収納袋からローブや服を取り出す。


「ほれ、これを着んかい」


「この服はサイズに合わないようだが」


「パンツと同じで、どんな体型でも伸びる布じゃ」


「このローブを俺に貸すという選択肢は今までなかったのか?」


「生のブツと擦り合うんじゃ、そんなんあるかい!

しばらく貸すで、そのままでおってくれや」


「了解するわ」


★★


1時間後。


ゴトーの姿は、黒のローブの美少女メイ・バージョン。


タブレット画面にはアニメが流れる。


――――――――――――

『ぱずー!』 『しーた!』

――――――――――――


「うおおおおおおお、でかした!ぱずぅー!!!」

リ 『キュピー!』 ↑

ス 『ぱずーーーー!』 ↑

ト 『負けるな、少年!』

ケ 『『『行け、行けー!』』』


興奮するシーナ。

仔龍のリュウノスケ。

スライムのスイスイ。

魔獣のトラキチとケルロー。

夢中になってアニメを鑑賞。


「お前さん、男の子の中の男の子なのじゃ!」


『勇敢な少年だな』


「このハエの乗り物凄いのう、乗ってみたいのう!」


『ピギャ、ピギキキ、ピキピキクゥーー』


スイスイが翻訳する。

『大きくなったらオマエをノセテやるって』


「なんと!リュウノスケよ、ホントか!」

『ピキッピキィュー』

頷くリュウノスケ。


「それは楽しみなのじゃ!」


『オレ様にもカンシャしろよ』


「え? お、おう。なんか段々とスイスイの言葉が流暢になって、態度がでかくなってくの」


「それは従魔にした俺の影響だな」


「ゴトーの影響じゃと…。なんか先行きが不安になるのじゃ」


「・・・・・」


「まあええ、この後どうなるんじゃ!? ワクワクしかないぞい!」


★★


1時間後。


「スピンオフを作なら、

『MEI 異世界に召喚された少女(擬装)』と言ったところか・・・。

このまま旅を続けるのも、有りか。

どうだ、シーナ?」


シーナと魔獣たちはタブレットのアニメに夢中。


「ぱずぅー、早く来るのじゃー!」


『ピギィー!』


『しーたのピンチでござる』


「なんじゃこのメガネは! いけ好かん思うとったが、どれだけ非情なんじゃ!」


――――――――――――

兵士が次々と天空の城から落下していく。


『ハッハッハ、人がゴミのようだ!』

――――――――――――


『おいおい!コイツら仲間じゃないのか!』

『『『ヒレツ!』』』 (怒り)

『ギュピィィィー』 (怒り)


「ぱずぅー!早う来んかい!」



「服を仕入れにテオタビの街に行って来る」


「おう、行って来い」


「シーナは一緒に来ないのか?」


「アニメの方がいいのじゃ!」 <キッ!>


「そうか・・・」


メイ・バージョンのゴトーは空間転移を発動。


一瞬でテオタビの街中に転移する。

黒ローブのクールな美少女メイ(ゴトー)は、

眼光鋭く辺りを見回し、古着屋を探す為に大通りへと歩いて行く。



――

14 魔法少女マジカル冥土マイ 終わり    (64)

15 接触                  (65)

――


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