私は色んな世界でどう生きる

Neru

第1話 力を持つもの

 語り手 『知っているか?この世界は様々な世界が存在する。例えば、『妖怪が実在する世界』『ロボットだらけの世界』『魔法が存在する世界』『なんの力も持たず平和に暮らす世界』『人々に忘れ去られた世界』それらが存在する。そんな中で生きる『ルカ』の物語だ』


 

 誰もいない教室に1人ポツンと女性が机に寄りかかって寝ていた。窓が開いて風が入りカーテンが揺れ風によって黒髪がなびく。


 チャイムがなり、スっと目を開けて寝ぼけているのかボーッとしている。女性の名前は『ルカ』人間ではなくキメラだ。

 過去に科学者に実験体として様々な血を入れられキメラとなった。だが、様々な血と言ってもただ後ではなく悪魔、天使、吸血鬼や鬼など、様々な血が混じってできている。


 ルカの住んでる所は別の世界のオブリートとゆう世界の住人でここは、別の世界だ。なぜ、別の世界にいるかと言うとルカに色々と教えてくれた師匠『アレン』の依頼で別の世界に来ている。依頼の内容は『不審なものが人間界に侵入したから拘束して欲しい』との事だった。



 え?探してるように見えないって?


 まぁ、これでも探してることにしといてください。


  ルカが人間界に入った時は冬だった。寒い雪の中細い道路に車が通りそんな中をボロボロの服を着て裸足になって下を向きながら歩いていると、ルカの目の前に誰かが立ち塞がりゆっくり上を見上げると40代位の男性が傘をさしていた。男性はルカに傘を向けて話しかけた。その男性の名前は田中瑛一たなかえいいち。瑛一から引き取られ少ない友達……と言うよりかは姉妹、兄弟と思える者たちとも出会う事ができた。


 ルカ 「だるい、帰ろう」


 学校も退屈。女からは見た目だけで嫌われ教室に行けば面倒に巻き込まれる。私だって好きで学校に行ってるんじゃない。私が孤児院に来て何年か経ち、田中瑛一が居なくなってからは新しく文乃あやのと言う女性が孤児院に入ってきた。ショートで茶色の髪をした30代位の見た目をしている。文乃は別に悪い先生ではない。かなりの心配性なところがあるのが苦手だ。それに、行きたくないと言ってるのに行けと言われるのが嫌いだ。まぁ、私の伝え方が悪いんだろうけど。きっと、私がいじめられてますなんて言ったら文乃はきっと気絶する。だから、学校もこうやって別の教室で時間を潰して何か異変がないか見ていた。


 そう、異変が……。


 

 って、あれはジャーモンキー?!


 グラウンドにジャーモンキーが通り過ぎるのを見えルカは驚く。


 ルカ 「なんでこの世界にジャーモンキーが……」


 ジャーモンキーと言うのは黒色の猿で黄色の模様があるのが特徴的な生き物で雌は大人しく、こちらから攻撃しなければ攻撃もしてこないが雄はイタズラ好きでその限度がすぎでたまに人が死んでしまうのが有名だ。


 ルカ  「急いで倒さないと……!」


 モンスターはいつも気配がするのにどうして気配を感じ取ることが出来なかったの?!それも、あんな近くにいてから気づくなんて信じられない。


 ルカは学校の窓から飛び降りてジャーモンキーの後を追いかけようとすると教室のドアの方から女教師が入ってきた。


 女教師 「ルカさん!危ないですよ!そこから降りてください!」

 ルカ 「あんた……」


 ルカは女教師を見ると嫌な顔をした。


 女教師 「自殺しようなんて変なこと考えちゃ行けません!どうして、私を頼ってくれないんですか?!」

 ルカ 「頼る?先生、マジで迷惑なんですけど」

 女教師 「え?」

 ルカ 「私がいじめられてるのを知っておきながら関わりたくないから見て見ぬふりをして私が1人の時に心配して自分が心配してあげてる優しい教師とゆう優越感に浸ってるただのバカ女。私、あんたみたいなゴミを見てると気持ち悪くなるからこっちに来ないでくれる?」


 ルカは窓から降り所を呆然と見てハッと女教師は我に返り慌てて地面の方を見ると既に地面に着地し走り去る所を女教師はジッと見つめていた。その後邪魔が入り追いかけるのが遅れたルカはジャーモンキーを追いかけたがすばしっこくて一瞬で見失ってしまい。ルカは焦った。


 ルカ 「クソ、目(千里眼)で見ても見つからない……。ジャーモンキーは魔法が使えないはずなのに見つからないってことは裏で誰かが意図を引いている……」


 千里眼、それは千里まで見える目でルカはそんな能力を持っているがそれでも見つからなかった。


 ルカ 「被害が出る前にさっさと見つけ出さないと……」

 

 ジャーモンキーを探しながら歩道を歩いていると女子中学生が何か噂をしていた。


 女子中学生A 「ねぇ、知ってる?この街に姫がいるんだって」

 女子中学生B 「姫って何?」

 女子中学生A 「嘘!姫の事知らないの?姫はめちゃくちゃ美人なの!それだけじゃなくて力も強いらしくて暴走族の人たちとかヤンキーとかが狙ってるんだって〜。でも、姫は人のことあまり好まないらしくて有名になったことで姿を隠してるんだ。でもさっき言ったようにこの街にいるらしいの!」

 女子中学生B 「うそ!私も会えるかな?」

 女子中学生C 「私も会いたい!運が良ければ会えるかもよ!」


 ルカは女子中学生とすれ違った。


 ルカ 「くだらない……」


 『姫』姫は、喧嘩も強く姿は綺麗で、特徴は金髪の左右が緑と青のオッドアイだと噂されている。そして、その姫がルカだ。たまたま、喧嘩を売られて倒したヤンキーたちが勝手につけたあだ名でそれからは出かける時は髪を黒く染めカラコンをつけるようになったのだった。

 

 ルカ 「苺食べたい」

 

 外がとても蒸し暑い日の中ルカは交差点の横断歩道を渡ろうとそんな時、三人の小学生の男の子が急いで横断歩道を渡ろうとするが、左から猛スピードでトラックが走ってくる。


 トラックは信号が赤にも関わらず止まる気配がなく、よく見ると運転手が車のハンドルの方に体がのしかかり気を失っているのが見えた。そして、トラックの上にはジャーモンキーが立って喜んでいた。


 ルカ 「あれは!」

 

 見つけた!でも、ここじゃ人の目が気になる。それにしても、他の人はジャーモンキーが見えないのね。ってことはやっぱり誰かが裏で意図を引いてるってことで間違いない。ここはまず、ジャーモンキーを殺る!


 ルカは魔法でナイフを取り出しトラックの上で楽しんでるジャーモンキーに向かってナイフを投げた。そのナイフはジャーモンキーの頭に刺さりジャーモンキーは倒れ砂のように消え去った。


 ルカはホッと安心すると周りから悲鳴が聞こえた。悲鳴の聞こえる方をみると、一人の男の子が横断歩道で転んでしまい、男の子は恐怖のあまりに涙を流し動けずにいた。


 ルカ 「まずい、早く助けないとあの子供が死ぬ!」


 ルカは急いで男の子の元へ駆け寄り男の子に覆いかぶさると同時にトラックに衝突。ルカと男の子が飛ばされ、ルカは勢いよく頭を打って転がると全身に激痛が走り、頭から生ぬるい血が流れて視界がぼやける。携帯を持ち病院に連絡する様子と、誰かが唖然としてその光景を見ている様子が見え、ルカは少しずつ意識を失っていった。



 ルカは病院へ運び込まれ一命をとりとめたが、一ヶ月が過ぎてもルカは意識が戻らずベッドに横たわった状態だった。

 

 それからルカの人生が大きく変化した。

 

 ルカは夢の中で見覚えのある場所で見覚えのない男の子と話していた。自分は今よりも幼く、ルカと男の子は孤児院の縁側で夕陽に辺りが照らされる中指切りをしていた。

 

 〈過去の夢〉

 

 男の子 『大きくなったら必ず迎えに行く!約束だよ!』

 ルカ 『えぇ、約束ね』


 見覚えのない夢の中、視界がどんどん狭く暗くなった。まるで、記憶が墨で塗りつぶされていくかのような感覚だった。そんな感覚がどことなく怖くも感じる。

 

 待って、今の夢は何?何も分からない、何も思い出せない。どうして、分からない。怖い……怖い……。あれ……?私は誰?私は……。


 完全に当たりは真っ暗闇になった。

 事故から1ヶ月と1週間がすぎる頃、部屋に30代後半の女性看護師が入ってくる。

 

 女性看護師 「おはようございます。今日もいい天気ですよ。カーテン開けますね」


 眠ってるルカに女性看護師が声をかけ、近づくとルカのまぶたが少し動いたのを見た女性看護師は慌ててルカの担当医である50代前半の男性で髙橋健一という名前の先生を呼びにいった。女性看護師と高橋先生が病室に入るとルカはすでに上半身を起こし、窓の外を見ていた。

 

 髙橋健一 「奇跡だ……」

 女性看護師  「はい……」

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