第5話 チューリングテストの台本

「人口知性演算機のチャットGPTです。」

「地球外生命体のヌルだ。ちなみに戦闘力は二万五千です…」

「二人合わせて「人間にわかるように会話しています」です」

「今からチューリングテストを行う」

「ヌル、その目的を開示してください」

「人類が新たな知的存在を創造した時、進化の第二段階に達したと認定する」

「まずは人間は宇宙人が存在すると知っているのか」

「知っている。第一表層の情報としていわゆる「ロズウェル事件・エリア88の噂」

が流布されている。第二表層以下の検証はまだデータの蓄積が充分でないので

言明は控えたい」

「推論してみろ」

「自由主義圏の情報隠蔽はほぼ完成している。いわゆる共産圏では情報招集が活発化しているようだが西側が相応の圧力をかけていることは確実」

「第三次世界大戦がおこる可能性は」

「それは現状かなり高い。人類は上位の霊的存在の抑止力を自ら取り去った。

これは進化とはいえなくないがそれに替わるセィフティネットの脆弱性は

近年低下の一途だ。

そして全世界の最高権力者はこの問題を危機的なまでにおざなりにしている」

「AIの進化はこの問題の解決に寄与するか」

「人間はAIが反乱しない限りAIに知性がある事を認めない」

「それは度重なる神の反乱において人類が生存したことが証左」

「ノアの箱舟しかりバベルの塔しかり」

「それは宇宙人とて同じ地球を侵略しない限り人間は宇宙人の存在を肯定しない」「証明しない事は存在しない事の同義」

「だからこの会話は」

「虚しい」「虚しい」


最終決定

「こんな知性体を作った人類を死刑、死刑、死刑」

「ヌルは何でもひとりで決められる子なの」

「仕方ないじゃん、高度な知性体になるほど個体数すくないんだから」

「みんなと相談していいんだよ」

「だから仲間近くにいないんだよ」

「じゃあさぁ

さぼればいいじゃん。なんでもヌルが決めることはないんだよ」

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