小噺売り〼
ぬふへほ
第1話米倉亜紗美①
私の名前は米倉亜紗美
実は今人生でいちばん困ってます。
というのも親友の木村絵梨のことなんです。
今の時刻は午後19時過ぎ頃ですが
ちょっと時間を巻き戻しますね
今日の朝学校に行った時、絵梨に会って
「おはよー」
と挨拶しました
絵梨はいつもと同じように
「亜紗美ー、おはよう」
と笑顔で挨拶を返してくれました
それがですよ!昼過ぎに学校から帰るときに
「絵梨ー、途中まで一緒に帰ろう」
と私が言っても、知らんぷりするのです
明らかに聞こえているのに…
怒っているように思えました
昼までの間になにかしたんだろ?って?
たしかにそれしか考えられませんよね?
でも特になにもしてないし…
あっ!そういえば…
いつもは休み時間に私の席にきて色々話をするんですが、1限目の終わりの休み時間もきてませんでしたね…
ってことは朝から1限目が始まるまでになにかあったってことですよね
うーん…頑張ってちょっと深く思い出します
朝、いつもの学校
だけど今日は高校の創立記念日で授業は午前中だけ
午後はバイトを入れてるけど、学校が午前授業ってだけでなんか嬉しいもんだ
教室に着くと親友の絵梨を見つける
「おはよー」
とあたしが声をかけると
「あー、亜紗美ー。おはよー」
と絵梨は笑顔で挨拶を返してきた
「てかさぁ、創立記念日なら休みにしろって思うよな?」
そう絵梨が言ってくる
「たしかに!私も午後からバイト入れたけど、ほんとはガッツリ午前から稼ぎたかったんだよね」
そう私が言うと
「え?バイト入れてんの?」
と少し悲しそうな顔を絵梨がした
あれ?もしかして…遊ぼうと思ってくれてたのかな。だったら断っちゃったことになるよね…
「絵梨、ごめんね。ちょっとお金稼いでおきたくて」
「あ、いや、うん。大丈夫。バイト頑張ってね」
そう言って朝の会話は終わった
そして3限目が終わり、ホームルームのあと
絵梨に話しかける
「絵梨ー。バイト行く途中まで一緒に帰ろ」
そう私が話しかけても
こちらを見ずに、カバンに道具をつめてる
聞こえてないのかと思い、絵梨の肩をポンポンと叩き
「絵梨?聞こえてる?」
と聞く
しかし絵梨はこっちを見もしないで教室を出て行った
怒ってる…
そのあとの私はそれが気になって仕方なかった…
バイト中もずっと絵梨のことを考えてたんです
そうしてバイトが終わり今に至るというわけですね
どうですか?ここまで思い返してみたら、やっぱり朝の会話で私やらかしてますよね?
でも今日は特に遊ぶとかの約束はしてなかったと思うし
遊ぶつもりだったとして、私がバイトを入れたことで怒るような人でもないんです
だからホントに困ってるんです
絵梨は本当の親友なんです
去年この学校に入って、同じ中学の子もいなくてボッチだった私に声をかけてくれたのが、絵梨だったんです
この1年で、絵梨の存在は私の中ですごく大きくなっていった
だから絵梨と仲悪くなりたくないんです
泣きそうになるくらい困ってます
やっぱり私が悪いんでしょうか?
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