第24話 次の一手


「これ……っ!?」


「うそッ!?こんなことが起こってたの!?」


「どうやって撮ったの……てかなんで私のスマホ!?」


 ハルもひまわりもワシが流す映像に釘付けになっておる。ハルに関しては一気に色々な情報量が滝のように流れてきて脳がパンクしているようじゃ。そのせいかハルのやつ頭から湯気が出ておる。


 クックック、やはり人間相手に驚かせるのは良いのぉ~!リザやリル、それに最近はあるじすらも全く驚かぬ。特にあるじはワシを本当にただのよわちいヌッコだと思っておるからのぉ……。ワシが急に魔法撃ってもよくある猫の『かまって!』攻撃だと思っておるせいで何やっても『はいはい♪』しか言わぬ!

 違うのじゃ!ワシは驚いた表情が見たいのじゃ!決して構ってほしいわけではない!


 それに比べこの二人は本当に良い反応をしてくれる!ワシはうれしいぞ!


「ハクさん」


「ん?なんじゃ?」


「どうやって映像を撮ることが出来たのかも気になりますけど、それよりもいつの間に私のスマホを取ってたんですか!?」


「ふっふっふ……」


「ハクさん……?」


 ふっふっふ、あーはっはっは!ようやくすべてをネタバラシするときが来たのぉ!いやー、ただ録画映像を見せただけでここまで驚かれておるからのぉ、どんな反応を見せてくれるのか楽しみじゃ!


 そうじゃの……一気に全部言ってしまうのはもったいないからの、すこーしずつ紐解いていくとしようかの!……時間が遅くなりすぎて帰った時あるじにちと怒られるかもしれぬが……まぁ何とかなるじゃろ――


「……のうハルよ、ワシは一体いつからおぬしを見ていたと思う?」


「え?それは……葛林と対面した時……?」


「残念、ハズレじゃ。正解は……おぬしがトロールらと戦っている時じゃよ」


「ッ!?」


 そう、その時……ハルがトロールに向かって地を蹴り、走り出した時にワシはこっそりとハルのスマホを拝借したのじゃ。あれは焦ったの……危なかった、バレるかもと思ったほどじゃ。

 ハルにバレないように魔法でこっそりと回収したのじゃが、魔力が濃すぎたせいで反対にトロールに影響を与えてしまった。そのせいでトロールが急激なパワーアップをし、ハルに違和感を与えてしまった……。

 最後の一匹はワシが視認できぬ速さで殺したからハルには『タフだと思っていたが、実はさっきの攻撃で死んでいた』ように見えたじゃろうな。……ワンヒースのフルーノの様に――


「あの時はバレるかもと思ってヒヤヒヤしたものじゃ。まさか階級の低いモンスターはワシの魔力に当てられただけでパワーアップするなんての……こんなこと昔はなかったんじゃが」


「え!?あれってハクさんの仕業だったんですか!?私てっきり葛林がなんかやったのかと……」


「カッカッカ、びっくりさせてスマンかったのぉ!」


 やはり人間の驚く姿は良いのぉ……。あるじにも見習ってほしいものじゃ。


「それに……どうやって映像撮ったんですか?葛林が機器関連の使用が出来ないように仕掛けを掛けてたはずなんですけど……」


「ん?あんなのにワシが負けるわけないじゃろう!」


「……え?」


「普通に魔力でバリア張っただけじゃ。絶対不可侵のな」


「絶対――へ?」


 クックック、驚いておる驚いておる!なんならひまわりは状況に全く付いていけずに固まっておるわい。あぁ~楽しいのぉ。この反応一生見てられるわい……



♢♢♢



 飽きた。


 あれから10分。最初はあまりに驚いてくれるから新鮮で面白かったのじゃが……流石に10分もずっと質問されては大げさにリアクションされると普通に飽きるじゃろ。

 そういえばじゅーすも残りがないのじゃ。さっさと本題に言ってさっさと帰ろう。それにあるじに怒られたくないし……。このままそぉっと帰れば『もう帰っておったぞ?』って言えるし、まだ怒られない可能性はあるからの……


 おっといかん。こんなことを考えているうちにも時間は過ぎてしまう。それに心なしかハルとひまわりがワシの言葉を待っておるような気もしなくはない……。証拠に二人ともワシの目を見て離さぬ。なんならひまわりのワシを見る目が輝いておるし……なんかさっきより顔近くないかの?


「ハク様!」


「なんじゃひまわりよ――って、ハク様!?」


「はいっ!ハク様のお話とてもかっこよかったです!」


「え?そ、そうかのぉ?……カッカッカ!ひまわりおぬし見る目あるのう!……よしっ!おぬしをワシの弟子1号に任命してやろう!うれしく思ってもよいぞ?」


「わぁぁぁ!ありがとうございますハク様!」


 そういってひまわりは目をキラキラ輝かせてお辞儀をする。元気いっぱいで好感が持てるのぉ!


 なるほどそうか!ひまわりはワシのかっこよすぎるエピソードを聞いてワシにあこがれを抱いておるのじゃな!?クックック、B級探索者というのにかなり見る目あるのう……!よし、ワシの初めての弟子じゃ!こやつはワシがとことんしごいて世界一の探索者にしてやろうかの!!

 

「……ハク様――」


「ひまわりちゃん……?」


 ん?なんかひまわりの目が一瞬ドス黒くなったような……気のせいかの?それになんか今背中がゾワッとしたような気が……もしかしてじゅーすを飲み過ぎてしまったからかのぉ……?



♢♢♢


「で、じゃ。ハルよ、とりあえず今の映像をおぬしらの安否確認の報告も含めてトイッターとやらに投稿せい」


「え、は、はい!」


 まぁこれで騙されておる奴らも大半は目を覚ますじゃろう……。なにせSNSはテレビと違って良くも悪くもが一番飛び交うからの。テレビを信じ切ってて『テレビが言ってることが正しいんじゃ!』とか言う民も少なからず残るとは思うが……だとしても状況は大きく動くじゃろう。なにせ完全なる犯人の自供じゃからの。まぁ、それも『AIだ!』とか言われてしまえば情弱、それこそ非探索者らは騙せるじゃろうな……ワシの予想だとこのままじゃと味方と敵が半々、といったところかのぉ。

 それにあやつはどうやら権力者の息子らしいからのぉ……お得意のテレビや有名人を使った情報操作、桜花の城の妨害などいくらでもできるじゃろう。


 じゃから、ワシらはもう1つ……いや、2つ手を打たなければいかん。

 

 そのために、


「ハルよ……」


「はい、なんですか?」


「配信するぞ」


「……へ?」


 

—————————————————————

あとがき


信者の気配……

次の話から展開進みます


良ければ❤️と⭐️をお願いします!モチベにつながります…!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る