第18話 クズには制裁を 一
「な、何者だ貴様は……ギャァァァァァ!?」
「ヒ、ヒィ!?」
視界がボヤけていて何が起きたかはよく分からない。ただ分かるのは、目の前の護衛が悲鳴を上げたと思ったら次の瞬間、闇のような鋭利な何かがその護衛の胸を貫いたということだけ。
そうして私の身体が軽くなる。私を捕らえていた護衛が離れたのか、私の身体は重力に従って倒れる。
「あ、れ……」
しかし、私の頭に触れたのは硬い地面ではなかった。その感触は柔らかく、そして温かい。あぁ、溶ける……。これは二度と感じれる事はないと思っていた人の温もり。
「……すまぬ、ハルよ————」
その女性の顔が私の視界に映る。重力によって垂れる艶のある銀色の髪がまるで雪の様だ……。その青白い瞳から目を離すことが出来ない。
初めてみる女性。それは物語の中から飛び出してきたと言われても納得してしまいそうな、それほどまでに美しい女性。……だけど、私には分かる。
「白猫さん……」
あぁ、たった一度あっただけの私なんかの為に来てくれたのですね……。
——白猫さんだ。
姿は変わっているが、その声が、その魔力が。そして、その温かさがそっくりだ……
そんな白猫さんは私を支え、申し訳なさそうに私を見つめる。それはまるで、『自分のせいでこうなってしまった』と悔いているような……そんな視線。
あぁ、違うのです。だからどうかそんな顔をしないで下さい。これは私のミスです。私の罪です……だから謝らないで下さい。ごめんなさい、ごめんなさい……私が弱いせいで……けど、これだけは……これだけはどうか、どうかお願いします———
厚かましいと思われるかもしれない。恩知らずだと思われるかもしれない……。けど、だけど私にはもうどうしたら良いのかわからないから、だから私はただ願うだけしか出来ない……恥を捨ててあなたの優しさに縋ることしか出来ない。
だから、私は最後の力を振り絞って彼女にその言葉を紡ぐ。
「お願い……します。あの子を、ひまわりちゃんを……助けてください……っ!」
そして、私の意識はそこで途切れたのだった。
♢♢♢
「お、おい貴様ッ!我ら騎士団に手を出してタダで済むと思っているのかッ!」
「…………」
「な、なんだ⁉︎なんとか言ったらどう——」
「…………」
あぁいかん。瀕死にするつもりがつい力が余って殺してしまった……。それにしても、ただ魔力の塊をぶつけただけで上半身が跡形もなく消え去ってしまうとは。人間とはまったく脆い生き物じゃの。
こんなにも脆いせいで死の淵を彷徨わせることが出来なかったではないか……。
最悪じゃ。おかけでワシの気分は最悪のままじゃ。せめて、ハル……そしてそこの少女が受けた痛みを億倍にして返させてくれ愚かな生き物よ……。
そうしてワシは元凶の男、そして残りの甲冑を着た者らの方へと振り返る。
「ヒィッ⁉︎な、何者だ貴様!俺が誰だかわかっているのか!俺はこの新宿ダンジョンの支部長、そしてダンジョン協会本部長である葛林銅羅の——」
ドゴォォォン——
刹那、ワシは葛林の頭を掴み、地面に叩きつける。その威力はまるで天からドラゴンが落ちた時のように、それだけで地面は割れ、砂埃が舞う。
「もう喋るな……」
その声はもう聞きたくない。その汚らしいドブの様な声を聞いてしまうとうっかりここの人間をダンジョンごと破壊してしまいそうになる……。
「あ、がッ……」
「…………」
あぁ、危ない危ない。今回はうまく力の加減が出来て良かった。また人間の形が残らぬほどにグシャグシャにしてしまうところじゃった……。先ほどの駒の一つならばいくら消し去っても曲論問題はないが、この男だけは別じゃ。
しっかり殺すタイミングを見極めなければ根本の問題が解決せぬからな……。
そうして衝撃によって生じた砂埃が晴れる。
「し、茂雄様ッ!」
「茂雄様をお護りしろッ!」
晴れると同時にゴミの護衛8名の姿も見え始めた。
あぁ、ダメではないかそんな構えでは。全身が震えておるではないか……。もしやたった1人の女に恐れておるのか?
「う、うわぁぁぁあぁぁ!」
すると、何を血迷ったか一匹のゴミがワシの方に向かって斬りかかってくる。
ダメではないか、お主はそれでも騎士か?そんなに胴をガラ空きにするなんて、まるで『私の身体を真っ二つにしてください』と言っている様なものではないか。……そうか、それがぬしの望みなのであれば望み通りにしてあげようではないか。あぁそうだ、ワシは優しいからの、ちぃっとばかしオマケをしてやろう。
「——『
ワシの能力は『影』——表と裏、森羅万象全てのモノには必ずしも影が存在する。そこにワシの魔力を混ぜることで時には剣の様に、また時には盾の様にと自由自在に影を操ることができる能力。
そうして目の前の男の影から2本の刀を作り出す。
そして、
「ヒィッ⁉︎」
かつてヒトだったものの肉片がバラバラになって地面に落ちる。
しまった。また殺してしまった。四肢を切り刻んだ所までは良かったが、加減をミスって全身を粉々にしてしまった。そして一瞬にして殺してしまったことで苦しみを味合わせることが出来なかった。
あぁ、残念じゃ……次こそはちゃんとゆーっくり、ゆーーっくりと……生まれてきたことを後悔出来る時間をたっぷり感じれるように殺してあげなければ。
そう、これは惨殺ではない、痛みによる救済じゃ……。たった今ワシがぬしらを救済してやろう。ぬしらの犯した罪をその身で感じられるように……
あぁ、だからどうか逃げないでおくれ。どうか、ワシに殺させておくれ——
—————————————————————
あとがき
じわじわとなぶり殺しにしてやる!!
僕はドラゴンボールも好きです特にZ特にナメック星編!同士おる???
良ければ❤️と⭐️をお願いします!モチベにつながります…!
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