俺の家に出現したダンジョンで出会ったイッヌとヌッコと散歩兼探索配信する。〜どうやら弱小ダンジョンだと思っていた俺の家のダンジョンが実はSSS級ダンジョンらしい〜

くるみ

第1話 イッヌとヌッコとダンジョンに行く


「ん?なんだこの洞窟」


 が俺の家に現れたのは2年前の夏だった。


 庭の野菜を狩り終わって家に戻ってきたとき、今まで緊急倉庫として念のため作っておいた地下に見覚えのない通路、そして少し進んだ先には高さ3mほどある鉄の扉が現れていた。


 『なぜ突然に?そもそもなんなんだこれは?』


 そんな疑問が出てきた。が、そのあと俺の心の中は『何があるんだろう』という好奇心で埋め尽くされた。そうして野菜そっちのけでその鉄の扉を開いた同時の俺はそこで初めてダンジョンという存在を理解するのだった。

 


 ダンジョン――それは数十年前に現代世界に突如現れたファンタジーと呼ばれていた産物。

 その中からゲームの世界でしか見たことがないようなゴブリンやオークといったモンスターが出てきて世界は混沌に包まれた......が、それと同時にダンジョンに入った人間に戦う能力が備わった。

 ダンジョンに入った者には突如RPGなどでよく見る『レベル』が確認できるようになり、成長の過程でスキルや固有能力が取得できるようになった。

 そうすることで人間はモンスターへの対抗手段が生まれた。


 そしてモンスターを倒したり、ダンジョンに潜ってそこにある宝箱を獲得したりするとダンジョン素材による不思議な力によって国の発展につながることが分かった。


 そうしてダンジョンについての法や育成施設などが整備され、年月が経った頃、その『ダンジョン配信』というジャンルは世間に広まっていった。

 

 人々は配信者を通してリアルタイムで戦いが繰り広げられ、死の瀬戸際を彷徨うダンジョン配信という世界に魅了され、それが現在まで浸透していった。今では国がダンジョン配信というジャンルを推奨するほどである。


 そしてそんな激動の世の中であるが、俺――白鷺白亜しらさぎはくあはそのダンジョンというものに興味がなかった。いや、好きじゃなかったといった方が正しいだろうか。


 俺は争いを好まない。自然の中で生きる俺は命の大切さを知って育ってきたため、ダンジョンという毎日人死にがでたり、動物を殺すために武器を作ったりするような、命を軽んじる行為が当たり前な世界を好きになれなかった。


 だからこそ俺は今流行りのダンジョン配信というものをあまり知らない。

 だが、その突如俺の家の下に現れた洞窟で出会ったある存在によって、俺はダンジョンという存在に激ハマりするのだった。



♢♢♢



 カーテンを開けるとそこに映るのは降りしきる夏の日差し……ではなく、降りしきる大量の雨だった。


 俺は自然や動物が大好きである。なので俺の家はアスファルトが一面に広がる街の中ではなく、そんな街から20分ほど歩いた先にある山の中にポツンと建っている。


 そしてそんな大雨、しかもぬかるんだ状態でうちのペットたちと外へ散歩なんて行けるわけがない。普通ならこの瞬間散歩をあきらめるだろう。

 

 だが、今の俺達にはダンジョンがある!

 

「リル~、ハク~、散歩行くぞー」

「バウッ」

「ニャッ」

「それじゃあ行ってきますね」

「は~い、いってらっしゃ~い♪気をつけてねぇ~」


 そうしてリザさんに見送ってもらった俺たちはいつもの日課であるダンジョン散歩へと向かう。


 俺はかわいい存在が大好きである。この子たちと出会う前はネットでダンジョン配信......ではなく、猫が寝転ぶ動画ばかりを見ていた。

 だが現在、その家の地下にできたダンジョンを確認がてら探索した時にイッヌ、ヌッコたちと出会った場所であるということから、俺はダンジョンが大好きになっていた。

 

 今では毎日のようにこの子たちとダンジョン内を散歩している。


 そして、


「おっと、配信付けるの忘れてた」


 俺はこの子たちの成長記録を撮るために配信を始めることにした。


 リザさん曰く、この子たちはダンジョン生物のようで、成長速度が普通の犬、猫、より何倍も速く、何倍も大きくなる。

 最初、全長15cmほどだったイッヌのリルは今では俺より大きく成長した。そんな大きくなった今でも子犬のように突進して抱き着いてくるのはちょっぴり痛いので困るのだが……。


 まぁそのことは置いといて、そのためその瞬間ごとの大きさのこの子たちとの生活は短い期間しかない。

 だからこそ俺はその瞬間を大切に記録できる『配信』を自分用ですることにした。


 配信といっても、その配信を見るのは俺やリザさんなどの家族だけであるため、実質ただの成長見守り映像である。


「よし、ちゃんと流れてるな」


 配信をつけた俺はこの子たちと散歩に向かう。


 そうしていつもようにいつもの扉を開けた......のだが、そこはいつもの場所ではなかった。


「おぉ、今週二度目か......リル、ハク、今日はだぞぉ、新しいモンスターに出会えるといいな!」

「ワフッ」

「ニャッ」


 そうして俺たちはそのダンジョンの奥へと進むのだった。




—————————————————————

あとがき


数話投稿します。それが伸びたら(★や❤が多かったら)続きます。


僕が一番好きな動物はアザラシです、世界一かわいいと思います。

 




 



 

 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る