第4話


–––––現時刻12時00分


ガラガラ


「失礼します」


「きたか圭吾くん」


「こんにちは。あれ?前の先生はどうしたんですか?」


「吉野先生のことかい?用事が入ったらしいので私と交換になったよ。私は三枝さえぐさだ。よろしく。」


「よろしくお願いします。ていうか、いまからやるのって検査ですよね。動きやすい服装でってどういうことですか?」


2時間前、検査の詳細を教えに来た看護師さんが俺に伝えたのはただ一つ


「動きやすい服装で来てください」


ということだけだった。


「それは君がなっている可能性が高いのが霊症だからだよ」


「その霊症っていうのはなんなんですか?」


「まあやってみれば分かるから」


そういって俺は病院の最上階、

しかもその一番はしの部屋に案内された。


こんな部屋があったのか。

でもこんな分かりずらいところにわざわざなぜだろう。


[立ち入り厳禁]


そう書かれた部屋。

その中にあったのは大きな機械と小さな水晶だけだった。


「圭吾くん。君はダンジョンを知ってるかい?」


「はい。モンスターとかが出現するやつですよね。強い人じゃないと入れないみたいな」


「じゃあその強い人を見分ける方法はわかる?」


確かに。強い人っていうのは抽象的で分かりづらいな。


そう思った俺は黙りこんでしまった。


「その強いか、弱いか、それを見分ける道具がこれだ」


そう言って医者は水晶を指差す。


「通称、魔力測定器まりょくそくていき。これの存在は一部でしか知られていない。」


「魔力測定器?」


「君、ダンジョンに入ってみたいと思ったことはある?」


「まあはい、今ハンターは人気の職業ですからね。」


この世界にダンジョンが発生してから1年後、各地で力のあるものがダンジョンに挑んでいった。この人々が今では職業となりハンターと呼ばれている。


「そうか、ではこれに手をかざしてみてくれ」

言われるがまま俺は、水晶に手をかざす。


ブワアッ


体が..あり得ないほどに熱い!


「クッ、、うう」


俺はかざしていた手をどかしてしまう。


「ハアハアハアハア」


「この装置の本来の目的は、利用者の魔力を測ること。しかし、今まで魔力に触れてこなかった人が触るとB級に相当する力が与えられる。」


「B級?」


「ああ、説明するのを忘れていたな。ダンジョンに入ることの出来るものには等級が与えられる。それはD級からS級まである。この等級はモンスターやダンジョンにも適応される。」


なるほど。この機械を使って具体的な力がわかって、それで初めてダンジョンに入れるというわけか。でもなんでB級に相当する力が一時的にとはいえ、与えられるんだ?


「理解したようだが、少し勘違いしていないか?魔力を測っただけではダンジョンに入れないよ。」


そう医者が俺に言った。


勘違い?じゃあどうすればダンジョンに入れるんだ?


「ところで、ダンジョンが出現した今から約10年前。自衛隊や警察では訓練が行われたんだ。そしてダンジョンで怪我した人々が運ばれてくる医者にも訓練が施された。訓練はもちろん私も受けたよ。そして訓練を受けたものは国から直々に命令を受ける。でもそれは新人を育成せよ、その一言だけだ。だから私は私の方法で新人を育成する。訓練を受けた今の私はA級だ。」


そう医者は鼻歌まじりに話す。

そしてなぜか踊るように1ターンして、

俺と向かい合うような位置でこう言った。


「さあ最後の試練だよ。

"私と戦って"勝つことができたら、

ダンジョンに入ることを認めよう。」


「は?」


_____________________

作者です!

ここの話書くの楽しくて、いつもより長く書いちゃいました。

今後は、毎話この長さで書けるように頑張ります。

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