第20話 銀の森へ
私は、父様と母様と一緒に、光の神の聖地である銀の森に行くことになった。
父様の友人だという予見師に、やはり見出だされていたとのこと。
母様が、魔力の強すぎる子は、学び舎に集められて教育を受けるそうなんだけど、私にはあまり集団行動が適しているように見えなかったから、ある程度の年になるまで、谷から出さずにいたと教えてくれた。
ポポロンと契約したせいで、谷の結界を上回る魔力を得てしまったので隠せなかったというわけ。
見つけられて、向こうからお迎えがくる前に、こちらから出向いていった方が良いだろうとは、父様の案なの。
多分、この事は、光の神殿の三賢人の一人であるおじいちゃまには伝わっていると思うの。だからそんなに悪いことにはならないはずだって、母様が……
でもこの先どうなるんだろう……
不安な気持ちでいたら、母様が察してくれたわ。
「今は、神殿の指示に従いましょう。
ジェドだって、悪魔じゃないんだから。そのために、私とレフがお前についていくのよ」
「本当!? 母様!! 本当に一緒に来てくれるの!!」
私は、嬉しさのあまり母様の胸に飛び込んでいった。
「こんなお転婆娘を、聖地に放し飼いできないわ」
「放し飼い……?」
私は、キョトンとしてしまったが、母様
は笑っている。
「そろそろ銀の森へ出発するぞ」
父様が魔方陣の部屋から出てきた。
私には、初めての場所だ。
幾何学模様の書いてある円の中央部に三人で行く。母様が呪文を言うと目の前が暗くなって、目眩がしたわ。
ひどい耳鳴りもして母様に、「魔方陣酔いね」と笑われてしまった。
初めての体験だったのですもの。仕方ないと思うわ。これだったら、風の騎士に空を飛ばせてもらって来た方が、どんなに気持ち良かったかも……
これを言ったら父様に「お前の監視の意味がない」ですって
▲▽▲
聖地、銀の森は、リドムという木の葉っぱが銀色に光って年中枯れないことから、その名で呼ばれているそう。
私は、銀の森についたら、母様と一緒に光の神殿の頂点にたつ三人の賢人と、エル・ロイル家の当主、ミルドラン様に挨拶させられて、奥方の行方を捜す手がかりになるであろうポポロンとの契約について聞かれた。
奥方の失踪は、全くの突然のことらしく、病弱な長男や、可愛がっていた娘をおいて自ら姿を消すことはないのだと100%言い切れると、ミルドラン様も言っていた。
でもここは、光の神の領域。
何で接触されたのかしら?
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