第3話  父のレフィニール

 レフィニール・フレイドルこと父様は、私の方を見ると大きく息をついた。


「お転婆も大概にしとかないとミジア様に預けることになるぞ」


「嫌だもん!! あの人は、エイミアばかり可愛いがってるわ」


 私は、プイと横を見た。

 ミジアというのは、父方のおじいちゃまの妹で、本名は、ミジェーリア・フレイドル(ロイル姓有り)の魔法使いで、おじいちゃまの代わりに谷を仕切っているんだ。

 とても厳しい人で、私はいつも「落ち着きがない」とか、「行儀が悪い」とか言われて、会うたびに怒られるから好きではないの。


「だがミジア様は、神殿の最高位の巫女の身分まで行かれた方だ。アルテアの王族から求婚されたことがあるんだぞ」


「父様、それ、今の話に関係あるの?」


 父様は、母様の方をチラリと見ると言った。


「お前がここにいるのは、谷長の屋敷で他の従兄妹達と一緒にさせると、お前の大きすぎる魔力に振り回されないかと心配して、引き離しているんだが、こうまで勝手気ままに振る舞うなら、アリシアも俺も面倒が見切れない! フレイドル家のしきたりをしっかり身に付けるために、ミジア様のもとで、行儀見習いに出した方が良いな」


「えーー!! 絶対に嫌よ!! エイミアとアンドリュー叔父様は良いとして……ディックやダール、エイミアのお母様のローザ叔母様はほとんど知らないモン!!」


「みんな、身内だ。屋敷に行っても、みんなと関わらないで付近をウロウロ飛んでばかりいるお前が悪い」


「だって~!!」


「どちらにしろ、明日からしばらくアンドリューが、泊まり込みで作業に入ることになった。悪さするなよ」


 アンドリュー叔父様は、父様の弟なのだ。でも母親が、父様と違うらしくて似てないの。綺麗な金髪に碧色の瞳をしているわ。とてもわ優しくて、人間にも精霊にも好かれるタイプよ。


 父様の作ってる魔法剣は、光の神殿の神剣(神の別の姿と考えられている)の神の使いとして奉納させるの。


 父様は、SSSランクの火の魔法で、この谷に棲む魔竜(火竜)のパーシアの息吹を使って、魔法剣を鍛えあげるんだ。


 私は、父様のこと苦手だけど、尊敬してるの



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