第6話 復活ライブの反響

ここから始まる新しい世界

踏み出すにも躊躇して中途な一歩

だが、確実なそれは期待な一歩


これから始まる希望の世界

さあ 自分を信じてみんなを信じて

想いは変わらず進むよリスタート







————

TVアナウンサー(司会):「えー、今流れたVTRは昨日、見事な復活ライブを遂げたRose Wingsです!」


コメンテーターA:「いや〜、感動でしたねぇ。私も思わず泣いちゃいました!」


アナウンサー:「活動休止から、なんと3年半。ファンの皆さん、本当に待ちましたよね〜!」


コメンテーターB:「しかもね、デビューわずか2年足らずで紅白確実って言われてたグループですよ?そんな中での突然の休止。正直、何があったのか……ってずっと業界でも話題でしたよ。」


モニターが切り替わり、過去のインタビュー映像。

若々しい表情のユウ、クールに笑うレン、穏やかに言葉を選ぶカイ。

あの頃の3人が、まだどこか“少年”のままだったことを感じさせる。


アナウンサー:「実は私たち取材班、昨日のライブ後、楽屋に少しだけお邪魔させてもらったんです!」


画面が切り替わり、ライブ後の控室の様子。

汗の残るまま、肩を寄せて座る3人。

目を赤くしながらも、どこか安堵したような表情。


記者(VTR):「お疲れさまでした!今のお気持ち、一言ずついただけますか?」


ユウ:「……ただいま。ほんと、それだけです。やっと、帰ってこれた。」


カイ:「ここに立てたこと、それ自体が奇跡みたいです。支えてくれた人たちに感謝しかないです。」


レン:「……ここから、また始まります。新しいRose Wingsを、見ててください。」


TVアナウンサー:「いやぁ〜これは、しばらく話題になりそうですね!」


コメンテーターA:「あのラストの新曲、良かったですね! “リスタート”って曲……あれ、配信は?」


アナウンサー:「はい!実は今日から配信スタートしてます!」


画面下には「“リスタート” 配信中」の文字と、楽曲の一節が流れる。


新たな光が、3人の未来を照らし始めていた。




————

みちこ(母)「ちょっとー!朝ごはんよー!聞こえてるー?」


2階から即答。


まみ(娘)「聞こえてないー!だって今!Rose Wingsのライブが!テレビで!流れてるんだよー!!」


みちこ「……聞こえてますやん。」


階段をドタバタ駆け下りてきたまみ。

髪はまだ寝起きのまま、洋服のボタンをとめている。


まみ「あああ〜〜〜〜カイ様〜〜〜〜!!昨日のライブ、応募できなかったの一生の不覚……!」


テレビ画面には、カイが爽やかな笑顔でマイクを持つ姿。

「改めまして、Rose Wingsのカイです──」という声が流れてくる。


まみ「はぁぁ〜〜……あの笑顔、国宝級……拝みたかった……生で……」


みちこ「まだ言ってるの?もうライブは終わったの。次のライブまで我慢しなって!ほら、さっさと食べて!遅刻するよ!」


まみ「ライブ行きたかった……ママが応募してくれなかったから……」


みちこ「それはライブ代全部遊びに使ったあなたの責任です。ウチは、前払い制!」


まみ「ライブ当選するか分からないじゃん〜。」


みちこ「落ちたら返すわよ。お金もないのにライブ申し込むなんて…。」


まみ「ぅぅ……次は絶対当ててよ!カイ様に、私の“愛”を届けるんだから……!!」


みちこ「届ける前に、まず大学行きなさい!」


まみ「…はーい。」


トーストを口にくわえながら、未練たっぷりにテレビをチラチラ。


みちこ「それよりさ…なんであの子たち、活動休止に追い込まれたんだろうね。ファンとしては、そこが一番気になるのよねぇ〜。」


まみ「え?…え? お母さん…?」


まみの手がピタリと止まる。

振り返ると、みちこはコーヒーを飲みながら、スマホで「ローズウィングス 復活ライブ」と検索中。


まみ「えーーー!?やっぱり沼ってるじゃん!!!」


みちこ「え、ちがっ……ちがわないけど……」


まみ「もう、それ“フェザーズ”じゃん!」


みちこ「なにそれ? 羽?」


まみ「Rose Wingsファンの名称!“フェザーズ”!」


みちこ「……そんなのあるのねぇ〜。じゃあ今日から私もフェザーズだわ。」


まみ「やば…親子で羽ばたいてる……」


そんなやりとりをしながら、まみはようやく重たいリュックを背負う。

Rose wingsのキーホルダーがキラリと光る。


まみ「じゃあ行ってきまーす!カイ様のこと考えながらがんばるー!」


みちこ「はいはい、帰ったらローズウィングスの過去のライブDVD一緒に見よーねー。」


まみ(心の声)「この人、もう完全にフェザーズだ……」

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