1981年 三極冷戦とジブチ危機

ドイツ帝国 wikipedian

ドイツ帝国 (第三帝国) Deutsches Reich (Drittes Reich)

正式名称

大ドイツ帝国 (Großdeutsches Reich)

標語

「一つの民族、一つの帝国、一人の指導者」(Ein Volk, Ein Reich, Ein Führer) (第三帝国初期の標語、現在も精神的支柱として用いられる)

国歌

ドイツの歌 (Das Lied der Deutschen) 及び ホルスト・ヴェッセルの歌 (Horst-Wessel-Lied)

首都

世界首都ゲルマニア (Welthauptstadt Germania) (旧首都ベルリンを内包する)

最大都市

世界首都ゲルマニア

公用語

ドイツ語

政府

全体主義国家、一党独裁制 (国家社会主義ドイツ労働者党またはその後継政党による指導)

元首

総統 (Führer) (終身制、または党内選挙による選出)

首相(帝国宰相)

総統が兼任、または総統の指名による

人口 (1980年推定)

約1億6000万人 (本国圏：旧ドイツ、オーストリア、チェコ、ポーランド西部、ベネルクス、バルト三国、エルザス＝ロートリンゲン等を含む。東方生存圏・保護管区の被支配民族は含まず)

本土面積 (1980年推定)

約120万 km² (併合地域を含む本国圏)

GDP (1980年推定)

約3兆 3R (※1)

備考

(※1) 3Rは、ライヒスマルク、日本円、アメリカドルの3通貨の価値を基にした架空の国際通貨バスケット単位。この世界線における国際的な経済比較に用いられる。

一人当たりGDP (1980年推定)

約18,750 3R (本国圏国民平均)

通貨

ライヒスマルク (Reichsmark, RM) (ペトロマルク体制により国際的影響力を持つ)

時間帯

中央ヨーロッパ時間 (UTC+1)

大ドイツ帝国（独: Großdeutsches Reich）、通称ドイツ帝国または第三帝国は、中央ヨーロッパに位置し、広大な影響圏を持つ全体主義国家である。第二次世界大戦における枢軸国の勝利によりヨーロッパ大陸の覇権を確立し、大日本帝国、アメリカ合衆国とその同盟国と共に世界を三分する超大国の一つである。首都はゲルマニア。

概要

ドイツ帝国は、国家社会主義ドイツ労働者党（NSDAP）またはその後継たる全体主義政党による一党独裁体制が敷かれ、総統を国家元首とする。ゲルマン民族の優越性を掲げ、広大な「生存圏」と資源地帯を支配下に置く。ヨーロッパ大陸の大部分を軍事同盟「ベルリン条約機構」を通じて影響下に置き、中東の石油資源を掌握することで自国通貨ライヒスマルクを国際的な基軸通貨の一つ（ペトロマルク体制）に押し上げた。

国内では苛烈な同化政策により、併合した地域の「ドイツ化」を推進。東方に広がる「東方生存圏」や中東の「保護管区」では、スラブ系民族や現地住民を劣等民族として扱い、過酷な強制労働や資源搾取を行っている。

日米両陣営とは厳しい冷戦状態にあり、核兵器を含む高度な軍事技術と強大な軍事力を保有。特にミサイル技術や宇宙開発技術では世界をリードしている。

歴史

第二次世界大戦とヨーロッパ支配の確立

アドルフ・ヒトラー率いるNSDAP政権下のドイツは、1939年にポーランドへ侵攻し第二次世界大戦を開始。電撃戦によりフランスを早期に降伏させ、イギリスとは熾烈な航空戦を展開。独ソ不可侵条約を破棄しソビエト連邦へ侵攻（バルバロッサ作戦）、大日本帝国の対ソ参戦（北進論の実現）もあり、1943年頃にはソ連を崩壊に追い込む。

同時期、ドイツは核兵器開発に成功。イギリス・ロンドンへの限定的な核使用（史実と異なり、イギリス本土上陸は回避されるも、核の脅威により講和へ）を経て、アメリカ合衆国を含む連合国との間で有利な条件での講和を成立させる。これにより、ドイツはヨーロッパ大陸の覇権を確立。エルザス＝ロートリンゲン、オーストリア、チェコスロバキア（ベーメン・メーレン保護領として）、ポーランド西部、ベネルクス三国、バルト三国などを本国に併合。フランス、スカンディナヴィア諸国、バルカン半島諸国などを影響下に置く。

ベルリン条約機構と冷戦の始まり

戦後、ドイツは自国を中心とする軍事・経済同盟「ベルリン条約機構」を設立。イタリア、スペイン（フランコ政権が早期に枢軸側で参戦）、ポルトガル、トルコ（枢軸側で参戦し領土拡大）、そして東欧・バルカン諸国を加盟させ、ヨーロッパにおける支配体制を盤石なものとする。

一方、アジア太平洋を支配する大日本帝国、そしてアメリカ合衆国とその同盟国（イギリス、カナダ、オーストラリアなど）との間で、イデオロギーと覇権を巡る「3極冷戦」が開始される。核開発競争、宇宙開発競争、諜報活動、代理戦争が世界各地で繰り広げられる。

東方生存圏と中東支配

旧ソ連領のヨーロッパロシア、ウクライナ、白ロシアなどは「東方国家弁務官区」としてドイツの直接統治下に置かれ、「東方生存圏（レーベンスラウム）」としてゲルマン民族の入植と、スラブ系住民の奴隷的強制労働による農業・資源開発が進められる。

中東地域では、旧イギリス・フランス委任統治領（イラク、シリア、パレスチナなど）やアラビア半島の一部を「中東保護管区」として事実上の植民地とし、豊富な石油資源を完全に掌握。これが後のペトロマルク体制の基盤となる。

日独関係の変遷とペトロマルク体制

当初は「枢軸の盟友」として比較的良好な関係にあった日本とは、1960年代に入ると経済的・戦略的利害の衝突から徐々に関係が悪化。特に、ドイツが中東石油の支配力を背景に日本への原油価格を引き上げたことは、両国間に決定的な亀裂を生んだ。

1970年代初頭には、ドイツは中東からトルコを経由してヨーロッパへ直接石油を輸送する巨大パイプライン網「ゲルマニア・パイプライン」を完成。これにより、ライヒスマルクの国際的信用は飛躍的に高まり、石油取引の主要決済通貨の一つとなる「ペトロマルク体制」が確立。ドイツ経済の黄金期を迎えるが、同時に日本との経済摩擦はさらに深刻化する。

地理

ドイツ帝国の本国は、歴史的なドイツ領に加え、第二次世界大戦の結果併合した広大な地域を含む。

本国中核地域: 旧ドイツ領、オーストリア、ベーメン・メーレン（チェコ）。

西部併合地域: エルザス＝ロートリンゲン、ルクセンブルク、ベルギー、オランダ。

東部併合地域: ポーランド西部（ヴァルテラント、ダンツィヒ＝西プロイセンなど）、旧バルト三国（リトアニア、ラトビア、エストニア）。

これらの併合地域では、数十年にわたる苛烈なドイツ化政策（ドイツ語教育の強制、ドイツ文化の奨励、抵抗勢力の弾圧・追放）が推進されている。

さらに、ドイツは広大な「生存圏」と「保護管区」を実効支配している。

東方国家弁務官区 (Ostland, Ukraine, Moskowien, Kaukasus): 旧ソ連のヨーロッパロシア部、ウクライナ、ベラルーシ、カフカース地方。スラブ系住民は劣等民族として扱われ、農業生産や資源採掘のための強制労働に従事させられている。

中東保護管区 (Reichsprotektorat Naher Osten): イラク、シリア、パレスチナ、トランスヨルダン、アラビア半島の一部。石油資源の完全な管理と、戦略的要衝の確保が目的。現地住民の抵抗運動は絶えない。

政治

ドイツ帝国は、国家社会主義ドイツ労働者党（NSDAP）またはその後継たる全体主義政党による一党独裁体制である。

総統 (Führer): 国家元首であり、政府の首長。絶大な権力を持ち、終身制または党内の厳格な手続きにより選出される。

帝国政府 (Reichsregierung): 総統の指導の下、各省庁が行政を担当。党の意向が絶対であり、司法・立法も党の統制下にある。

親衛隊 (Schutzstaffel, SS) 及び ゲシュタポ (Geheime Staatspolizei): 国内の治安維持、反体制派の弾圧、イデオロギー統制を担う強力な組織。国民生活の隅々まで監視の目が光る。

ベルリン条約機構: ドイツが盟主を務める軍事・経済同盟。加盟国（イタリア、スペイン、トルコ、東欧諸国など）の外交・軍事政策はドイツの強い影響下にあり、事実上の衛星国となっている。

同化政策: 本国に併合された地域では、ドイツ語の使用強制、ドイツ文化の奨励、地元の言語・文化の抑圧といった同化政策が強力に推進されている。抵抗する者は容赦なく弾圧される。

国際関係

大日本帝国: かつての同盟国だが、1960年代以降、経済的・戦略的利害の対立から関係は冷え込んでいる。ペトロマルク体制と日本のエネルギー問題、東アジア製品のヨーロッパ市場への流入（マルク高による）などが主な摩擦要因。限定的な外交・経済関係は維持されているものの、水面下では互いに警戒し合う。

アメリカ合衆国とその同盟国: イデオロギー的に対立し、厳しい冷戦状態にある。核抑止力による「恐怖の均衡」が保たれているが、世界各地で代理戦争や諜報合戦を繰り広げる。特に、イギリスに駐留するアメリカ軍の核ミサイルはドイツにとって大きな脅威。

ベルリン条約機構加盟国: ドイツの圧倒的な国力を背景に、政治・経済・軍事のあらゆる面でドイツに従属。イタリアは戦勝国でありながら経済低迷により発言力を失い、フランスはドイツの監視下にありながらも一定の経済力を維持。トルコは中東におけるドイツの重要なパートナー。東欧諸国はドイツの経済圏に組み込まれ、低付加価値産業の供給地となっている。

中立国: インド、ブラジル、一部アフリカ諸国など。ドイツはこれらの国々に対し、経済支援や影響力工作を通じて自陣営に取り込もうと画策している。

軍事

ドイツ国防軍 (Wehrmacht) は、世界最大かつ最新鋭の装備を誇る軍事組織の一つ。

陸軍 (Heer): 強力な機甲師団と機械化歩兵師団を擁し、ヨーロッパ大陸での地上戦能力は圧倒的。東方生存圏の治安維持と国境防衛が主任務。

海軍 (Kriegsmarine): 大西洋とバルト海、地中海に強力な艦隊を展開。Uボート戦力も健在。日本の海洋進出を警戒。

空軍 (Luftwaffe): 高性能な戦闘機、爆撃機、偵察機を多数保有。本土防空体制は世界最高レベル。

核戦力: 大陸間弾道ミサイル (ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル (SLBM)、戦略爆撃機からなる三位一体の核戦力を保有。

ミサイル・宇宙技術: V2ロケットの技術を発展させ、ミサイル技術（弾道ミサイル、巡航ミサイル）と宇宙開発技術（軍事衛星、早期警戒システム、宇宙兵器研究）では世界をリードしている。

ベルリン条約機構軍: ドイツ軍が中核となり、加盟国軍を指揮下に置く。定期的な合同軍事演習を実施。

経済

ドイツ帝国の経済は、国家統制と計画経済の要素が強い。

ペトロマルク体制: 中東石油の支配を背景に、ライヒスマルクを石油取引の主要決済通貨の一つとし、国際的な影響力を行使。マルク高が常態化。

マルク経済圏: ベルリン条約機構加盟国を中心に、ライヒスマルクを基軸とした広大な経済圏を形成。貿易、投資、金融システムはドイツが主導。

産業構造: 軍需産業、重化学工業（IGファルベンなどの巨大化学コンツェルンが中核）、機械工業、自動車産業などが経済の中心。高い技術力を誇る。

資源・食料供給: 東方生存圏からの安価な農産物・鉱物資源の供給（強制労働による）と、中東保護管区からの石油が経済を支える。

労働力: ドイツ本国国民に加え、併合地域の住民、そして東方生存圏のスラブ系住民（奴隷的労働力）が労働力を構成。

対日経済摩擦: マルク高と、日本を中心とする東アジアからの安価な工業製品（特に軽工業品、家電など）の流入が、ドイツ国内の同種産業を圧迫。保護主義的な動きも強まっている。

国民・社会

ゲルマン民族至上主義: 国家の公式イデオロギーとしてゲルマン民族の優越性が強調され、他の民族（特にスラブ人、ユダヤ人）は劣等民族として差別・迫害の対象となる。

生活水準: ドイツ本国（特にゲルマン系ドイツ人）の生活水準は非常に高く、充実した社会保障制度（ただし党への忠誠が前提）と高度な消費社会を享受。しかし、言論・思想の自由は厳しく制限され、ゲシュタポやSSによる監視が常態化。

併合地域の住民: 数十年にわたる同化政策により、表面的にはドイツ化が進んでいるが、水面下では独自の文化や言語、独立への希求が残っている地域も存在する。

東方生存圏・保護管区の住民: 人間以下の劣悪な環境で強制労働に従事させられ、基本的な人権は完全に無視されている。抵抗運動は絶えず、ドイツ軍による過酷な弾圧が繰り返されている。

文化・プロパガンダ: 芸術、映画、音楽、出版物などは党の厳格な検閲下にあり、国家の威信発揚やイデオロギー宣伝のためのプロパガンダが国民生活に浸透している。