最初の戦い

レンは家族の安全を確かめようと走り始めたが、その途中で小さな子どもが転んで泣いているのを見つけた。子どもは怖がって逃げ遅れていた。


「危ない!」


レンは迷わず駆け寄り、子どもを抱き上げた。だがそこにゴブリンが襲いかかってくる。とっさに腰に差していた父の古い剣を抜き、ゴブリンを切り払った。


「レン兄ちゃん!」


妹のエマが家から出てきて叫んでいる。レンは子どもをエマに預け、「家に入って扉を閉めろ」と言った。エマは頷き、子どもを連れて家に逃げ込む。


レンは周囲を見回した。ゴブリンたちはあちこちで暴れている。村の警備を担当している数人の青年たちが応戦しているが、数が多すぎる。今までとは規模が違う。


「くそっ…!」


レンは剣を構え、ゴブリン達に立ち向かった。剣術の心得はあるものの、本格的な訓練を受けたわけではない。それでも村を、家族を守るためには戦うしかなかった。


一体、二体とゴブリンを倒していくが、次々と新しいモンスターが現れる。小規模な襲撃なら何とかなったが、これほどの大群相手では、レンも徐々に追い詰められていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る