第4話

秋は好きだ。夏の暴力的な日差しも和らぎ、息をする度に肺を焼くような熱波も、澄んだ清涼感で息もしやすい。

そんな秋になると、始まるのが道路工事。


バタバタ キィキィ キュィーン ズリィズリィ


年末までに終わらせようと、頑張る人工的な音。

あっちでも、こっちでも どこへ行っても聞こえてくる。


バタバタ キィキィ キュィーン ズリィズリィ




気づけば聞こえる音の洪水。

昼も夜もお構いなし。工事の人も大変だ。


バタバタ キィキィ キュィーン ズリィズリィ



秋と言えば紅葉だ。友人とインスタ映えを狙って、穴場のダムへ。

こんな山の中でも響く音。

こんな場所でも工事をしているんだ


バタバタ キィキィ キュィーン ズリィズリィ


「え?そんな音、聞こえないよ?」


 友人が、不思議そうに俺の言葉に返事をした。

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