黄金極振りバーサクガール、VRMMO配信中! 〜攻撃するたび『1G』ドロップするスキルで稼いでたら最強になってた〜
或鬼ながら
スタートアップ・ゴルトライザー
#01. デュエルダイバーズ・オンライン
お金を稼ぎたいなら働け。
そんな時代は、いつの間にやら終わったらしい。
「あっ。あった、フルダイブマシン」
近所のショッピングモールで、私はゲーム売り場に置いてある新型のフルダイブマシンを眺めていた。
フルダイブと言えば、仮想空間で人の五感を再現したことでゲームに完全没入することができるあれだ。
「へぇ……配信サポートサービス。やっぱり配信流行ってるんだなぁ」
売り文句のひとつなのだろう。配信のしやすさや酔い防止、五感再現率98%などの特徴が、隣の大型モニターで宣伝されていた。
フルダイブが普及したことで、ゲーム配信者やVTuberと言った職業は数十年前より大きな熱を帯びているらしい。
臨場感溢れる映像が撮れるようになったのもそうだけど、視聴者との交流がしやすくなり、配信者をより身近な存在に感じられるようになったのも魅力の一つだ。
……と。
ここまで語っておいてなんだけど、これは友達に教えてもらった話。
私は配信者になって稼ぐつもりは毛頭ない。
なんせ私、
克服するために喫茶店でバイトを始めて、最近は慣れてきたけど……大勢の人に見られるのはまだ少し抵抗がある 。
じゃあなぜ?
バイトを頑張ったご褒美にゲームで遊びたい……というのも、もちろんある。
ただ一番の目的は、その遊ぶゲーム──《デュエルダイバーズ・オンライン》というVRMMOにある。
「これがDDOか……ゲーム内通貨をリアルマネーに換金可能──すご、ホントにできるんだ」
販促ポップを読んで、思わず目を見開く。
そう。イニシャルを取ってDDOの愛称で呼ばれるそのVRMMOは、業界初の
モンスターを倒したり、クエストをクリアしたり、ダンジョンを攻略したりして得られる『G(ゴールド)』を現実のお金にできる。
遊びながら稼げるなんて、夢のようなシステムだ。
だからかDDOの総プレイヤー数は世界でもトップクラス。
専用コーナーを見つけるのも簡単だった。
気になるレートは『1円=100G』
こういうのってよくわからないけど、意外と高め?
配信の投げ銭機能も合わせれば、これだけで食べていける有名配信者も居るとか。
「買うしか……ないっ!」
スマホを握りしめ、購入を決意した。
私はお金を貯めるのも好きだけど、使うのも好きだ。
お金があれば大抵のことは出来る。
自分の願いを最も簡単に叶えられる道具だと、私は思っている。
だから貯めに貯めたバイト代をほとんど使ってしまうのも、あまり躊躇いはない。
欲しいと思ったものを手に入れられた。
なので、心の中で「ありがとうお金!」とお礼を言っておいた。
「────さて、さてさて」
帰宅して、入念に手を洗って、開封の準備を整える。
このプレゼントボックスを開ける瞬間がなによりも楽しみだった。
カッターでテープを切り、箱を開ける。
独特な匂いがするのは新品の証。
中には黒い発泡スチロール。引っ張り出すと──ゴーグル型のフルダイブマシンが現れた。
「おお……かっこいい。見た目はゴツいけど、意外と軽いのはありがたい……!」
おかげで家まで楽に運べた。
っと、見惚れるのもそこそこにして、説明書片手にセットアップを済ませる。
傷ナシ、電源ヨシ、不具合ナシ!
そして装着──! 違和感ナシ!
「準備完了! さあ……私のバイト代全部使って買ったゲーム……どんなもんか見せてもらおうじゃないの!」
では、行こうか。
未知の仮想世界。稼げるVRMMOとやらへ──!
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