第10話 誕生
【佐久間桜真視点】
[拷問二日目]
今日も始まった。朝から昨日に引き続きあのくそみたいなクイズが始まった。今日は硬い食感だったから干し肉と答えた。不正解だった。正解は干しきれてない肉だそうだ。ふざけるな。今日こそ指が切り落とされた。左手の小指だった。ゆっくりと楽しむような声が聞こえながら指を切ってきて僕は恐怖しかなかった。しばらく痛めつけた後、回復魔法で傷口を塞いだ。死なないような処置らしい。昼にもあった。間違えた。正解はキャベツ。連続して間違えると二本切り落とされるらしい。左手の薬指、中指が落された。夜も間違えた。川魚だった。食感ではもうほぼわからなかった。人差し指、親指。右手の小指をゆっくりと切られた。この日はこれで終わった。
[拷問三日目]
朝昼はクイズに間違えた。右手の指がすべてなくなり、左足の指もすべてなくなった。夜は当てずっぽうで当てることができた。奇跡だと思った。指一本で済んだのだから。
[拷問四日目]
今日もクイズだった。正解は全部モンスターの肉、朝ゴブリン、昼コボルト、夜オークの生肉。全部間違えた。指の数が足りないから、腕が切り落とされた。
[拷問五日目]
腕と足が全部なくなった。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い同仕様もなく痛くてしょうがない。回復魔法でなくなるのは傷だけ。痛みまではなくならない。
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[今日]
クイズが始まった。目隠しを外され、食感はいつもとだいぶ違った。
「おぇぇ!気持ち悪い。」
「ああ、やっぱり無理だったか。で?回答は?」
「わ゛がら゛な゛い゛です゛」
「正解は〜この街のパン屋さん夫妻の娘、アンナの肉でしたぁ!」
「は?うっ、おえぇえぇ、おえ、」
ああ、なんで俺がこんな目に合わなきゃいけないんだ?いや、僕への報いなんだきっと。何をされても間接的にでも人は殺しちゃいけない、いけなかったんだ。あんなことをしたから。違う!俺に敵対したんだ。俺は悪くない。やめてくれ。やめてくれ。そもそも僕が異世界に来たことが間違いだったんだ。向こうの世界でああやってずっと生きていくべきだったんだ。違う、違う、違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。じゃあ誰が悪いの誰だ?悪いのは帝国だ。この国だ。この世界だ。俺は悪くない。こんな世界、壊してやる、いや壊れるべきだ。滅びるべきだ。滅ぼしてやる絶対に!絶対にだ!こんな世界許せるか?許せるわけがない。
「お前はそれでいい。」
「!?誰だテメェ?この街の人間じゃねぇな。誰だ?」
帝国騎士団団長が話しかけるまで気づくことができなかった相手。この時点で俺に話しかけてきたやつのヤバさは十分伝わっただろう。そして俺には見覚えがあった。街中でフードをして精神操作をしてきたやつだったのだ。
「俺の名前か?そうだな、俺に一撃でも与えることができたら教えてやるよ。」
「俺は帝国騎士団団長だぞ?お前に一撃を与えることくらい訳もない。」
「それはやってから言うんだな。だがここは些か狭い、外でやるか?」
「いいだろう。」
そういって二人は出ていった。と思ったのだが、
「よし、出るぞ。」
まだ部屋の中にやつがいたのだ。
「は?今、お前この部屋から出ていったよな?」
「あれは分身体だよ。」
分身体などと小説の中でしか聞いたことがない言葉が出てきたのだ。俺は必死に言葉をひねり出した。
「お前は何者だ。」
俺は緊張しながらも言った。
「俺は悪魔族最高階位、大罪悪魔が一人、《暴食》のベヒモスだ。」
「悪魔族?深淵に封印されているんじゃないのか?」
「ああ、封印されている。だからこの体も分身体だ。分身体だとあんまり力がでねぇんだよ。」
それなのに団長に気づかれないくらいの力を持っているのか?化け物じゃねぇか。
「そんな野郎がなんのようだ?」
「お前に質問したい、俺達は虐げられ、自由を失ったの、なら何をすればいい?俺達はどうすればいいと思う?」
質問の意図はよくわからないが、俺が言えることは一つ。
「壊せばいい。このクソッタレな世界を。」
一瞬呆気にとられたと思えば急に笑い出した。
「だっはっはっは!お前をあれからずっと見ていたんだが、俺はその回答でお前は信用に足ると判断した。」
なんなんだ?一体。
「お前、いや貴方様には力を与えます。ですので我らの忠誠を、世界を壊してはくれないだでしょうか?」
力を与える?力をくれるのか?
「その力はこの世界を壊せるのか。」
「貴方様次第、としか。」
要するにできるってことか。なんて運のいい。最高だ。いいぞ、欲しい。
「いいだろう。お前たちの忠誠を俺によこせ。」
「
その瞬間、
《世界に告げます。たった今、悪魔族の忠誠が一人に向けられました。これより悪魔王が誕生します。》
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