第8話 戦争の始まり
【安藤凱斗視点】
訓練が始まり一ヶ月もたった頃、俺達クラスメイトは久しぶりに全員が集合していた。どうやら皆もカリス団長に呼ばれたようだ。
「おや?皆さん集まっていたのですね。今日はこれからのことについて皆さんと話し合いたく、」
「大変です!て、ててて、帝国から我が国に対し、宣戦布告がされましたッ!」
集まっていたクラスメイトたちや神聖騎士団は戦慄した。あの帝国が自分たちの国に戦争を仕掛けてくるのだと。騎士団長は冷静を装い聞いた。
「それで、開戦はいつだと言っていたのだ?」
「それが…」
「早く言わんか!」
言葉をつまらせる部下に対し冷静を装い切れず、ついに怒鳴ってしまったのだ。これがいけなかった。異世界からきたクラスメイトたちが余計に困惑と冷静さを失わせたのだ。
「たった今開戦し、シューベルト辺境伯領が攻め込まれました。」
「「何だと!」だって?!」
騎士団長だけでなく、クラスメイトからも驚きの声が上がる。驚いて当然だ。基本的に宣戦布告をしてから少し間をおいてから戦いは始めるものなのだ、国民からの信頼に関わるのだから。そんな中帝国は宣戦布告し、あまつさえそのまま攻めてきたのだ。騎士団長がこんな態度をとってしまったのはしょうがない、というものだ。
「すまないが皆、ここで待っていてくれないか?」
「え?いや、待ってくださいよ。帝国ってあのヴァハムス帝国ですよね?あの最強の国家と名高い帝国が今、なぜ我が国を攻め来るんです?悪魔族の王も復活するんですよね?そんなときになぜ?」
アキトの言い分はもっともだった、しかし今の騎士団長にはそのような余裕はなかった。
「その質問には後で答える。だから少し待っていてくれ。」
そういって騎士団長は部屋を出ていっていった。このときから少しずつ神聖法皇国とクラスメイトたちの間に亀裂ができてきていたのだ。
[会議室]
「おお、カリスよ来たか。」
あたふたしていた王はカリスが来たことによって少し落ち着いたようだ。
「全員、揃いましたね。では説明をお願いします。」
国王、騎士団長、魔法師団長、宰相、情報員、全員が揃ったことを確認した王女は会議を進行する。そして情報員は説明を始める。
「はい、宣戦布告がされた後、帝国の全戦力と思わしき騎士団がシューベルト辺境伯領に攻め込みましたが、不幸中の幸いとでもいうべきでしょうか。現地出身のSランク冒険者の協力により、まだシューベルト辺境伯領は落されていません。」
「それは良かった。それで?儂らはこれから何をすべきなのだ?正直このような始まり方の戦争は初めてで困惑しておるのだ。」
このような王の態度を見るのは初めてであり、宰相なども驚きを隠せていない。それほどの緊急時なのだ。
「王よ、そのような弱気な態度をとってしまうと部下まで不安をいだいてしまいます。」
「そう申すでないぞ、宰相よ。ここにはたった数名しかおらんのだ。少しは愚痴らせてはくれまいか。」
ここまで言われてしまえば宰相は何もいうことができない。言葉に詰まった宰相は騎士団長や魔法師団長に次の言葉を促した。
「それで?騎士団長や魔法師団長はこの後どう動くべきだとお考えで?」
「私はカイザース辺境伯領の騎士団を動かしたほうが良いと思います。そこに帝国の全戦力が集まっているのなら、カイザース辺境伯領も襲われるような心配はありません。またカイザース辺境伯は騎士団の育成に力をいれており、我々に劣らないような力を持っているのです。また、今回襲われたシューベルト辺境伯領はカイザース辺境伯領の隣のため、す我々が到着するまでの時間を稼いでもらうことと、すぐに応援として駆けつけることができるカイザース辺境伯に動いてもらうのが良いかと。」
「
「お父様、私もそれが良いと思いますわ。」
騎士団長、魔法師団長、そして自分の娘にまでこの案がよい、と言っている。ならば後は国王が判断するのみ。
「国王、どうなさいますか?」
「では、その案でいこう。」
この案が採決され各自行動を開始した。
_____________________________________
【佐久間桜真視点】
今この街ではある話でもちきりである。
「なあなあ、知ってるか?シューベルト辺境伯領、帝国に攻められているらしいぜ。」
「まじかよ!この領の隣じゃねぇか、この領に攻め込んできたりしねぇだろうな...」
「それがよ、帝国の全戦力がシューベルト辺境伯領に行っているらしいぜ。」
「よく落されていないな。いつ陥落してもおかしくないだろ。」
「シューベルト辺境伯領出身のSランク冒険者が協力しているらしい。」
「はぁ?そこ出身のSランク冒険者って殲滅の魔女だろ?というか冒険者って戦争に協力しないんじゃないのか?」
「いや、冒険者としてじゃなくて一般市民として協力しているらしいぜ。」
「いやいやSランク冒険者が一般市民って無理あるでしょ…」
そんなやり取りが僕の耳に入ってきた。隣の領が陥落したら、次はこの領の可能性が高いな。この領の騎士団はかなり強いと有名だからな。
「じゃあうちの領はどうするんだ?次攻められるかもしれないんだろ?」
「どうやらここの騎士団は王命で応援としてシューベルト辺境伯領に行かないといけないらしい。まあここの守りとして十数人残っていくらしいが。」
「それじゃあまだいいのか。」
十数人と聞いて頼りないと思ったがそもそもこの世界の戦争は僕達がいた世界の戦争とは違うのだ。量より質、それがこの世界の戦争の常識。剣士100人より大魔導士1人の方が強いのは皆しっている。つまり強いと評されるほどの騎士団は化け物揃いというわけだ。数十人だけでも守りには十分と住民たちから思われるほどには。いい話が聞けたと思った。このまま隣の領で膠着状態が続くといいな。
____________________________________
【作者から】
昨日リアルが忙しく、あまり執筆の時間が取れなかったので投稿ができませんでした。すみませんでした。今日からまた執筆頑張ります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます