第21話 鏡と目玉と痛い視線と
「うわっうわぁ・・なんだこれぇ・・引っ付いてる!」
鏡に映る額に張り付いたあるモノに青ざめる。
遡ること数分前。
「ほっ本当に・・2日も経っちゃってたのか・・」
昏睡の事実に未だショックを隠せずにいた八郎。
(母さん・・優樹・・心配してるだろうな・・)
暗い表情の八郎に目線を合わせて見つめる二人。
「心中察するわ・・」
「チロ君元気出して?」
優しい言葉を与えながら八郎の背中をさするケロン。
「ていうかチロ君おでこのそれ大丈夫?いくら引っ張っても取れなかったんだよね」
「・・おでこのそれ?」
「うん。チロ君があの力を使ってからこうなってたの」
「それは私も気になってた」
視線を僕の額に移し、額の左側を指で突っつく。確かに何かゴツゴツとしたモノの感覚がある。
「うわっほんとだ。なんだコレ・・」
「鏡あるけれど」
「あっ是非」
フォルネトの案内に従い、僕より少し低いくらいの高さに置かれた鏡の前に立つ。
「・・・・うえええッ!」
八郎に再びショックが走る。
彼の額に植物の根のようなモノと目玉のようなものがくっついていたのだ。
「ね?へんなのついてるでしょ〜」
「これっ・・ランドか?ランドの目玉が僕のおでこにくっついてるのか!?おいランド・・返事しろよ!」
そう言って目玉に何発もデコピンを喰らわせる八郎。
「よしなさいよ・・そんなよく分からないモノをイジって・・」
彼の行動を心配するフォルネト。
「・・ランドってなんだろうね?」
二人を他所に、八郎はランドと思わしきモノに話しかける。
「返事しろってぇ・・くそっホントにびくともしないぞ・・まるで頭蓋骨と同化してるみたいだ・・気持ち悪い!」
額の異物を弄っていると、目玉が仄かに光り出した。
「うわっ!ランド起きたのか・・?」
さらに目玉にデコピンを食らわせ続ける。
すると頭の中から聞き覚えのある声が響きだす。
『ソレヤメロヤ』
「わっ起きた!」
『フアァ・・セッカク戦ウ力ヲ与エテアゲタノニデコピンカマシ続ケルトカナイワー』
不満たっぷりな声で愚痴を漏らすランド。
「それは・・悪かったよごめん」
『素直デヨロシイ』
「それよりもだ!真っ先に聞きたいんだけどなんで僕のデコにお前が引っ付いてるんだよ!」
鏡に映る額の目玉に指を指す。
『一心同体ニナッタカラネ。コレカラハ君ノ中ニ住マワセテモラウカラ』
「そんなの聞いてない!」
「チロ・・君?」
「あっ」 『ア』
「誰と話してるの・・?あっ!もしかしておでこのヤツに寄生されちゃってるんじゃ・・」
「・・やっぱりまだ安静にしているべきね。続けてベッドは貸してあげるから」
割と本格的に八郎を心配し始めるケロンとフォルネト。
「だっ大丈夫です!乗っ取りされてないですっ多分」
『寄生虫扱イスンナ』
(うっさいな!お前が喋れればこんな冷ややかな目向けられなくてすんだのに・・)
『説明スレバイイデショ』
(僕ですらよく分かってないのに!?)
『アリノママデサ』
(・・・まぁそうするしかないか。語彙力自信ないから上手く伝えれるか分かんないけど・・)
深く深呼吸をし、出来る限りのことを伝えることにした八郎は固唾を飲んで二人に向き直る。
「・・ケロンさん、フォルネト。話したいことがあるんだ。コイツの・・ランドのこと」
鏡の前で一人話し込んでいた時とは打って変わり、真剣な表情をする八郎。それを見た二人は静かに聞く姿勢に入った。
「ありがとうございます。何から話せばいいかな・・」
そして僕は二人に己の身に起こったこと、ランドの存在のことを自分なりに順序立てて、包み隠さず伝えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます