第10話

その10




「…さあ、今日は”特別”な節目だ。やっと”ここまで”辿り着けたんだ、オレ達は…。もう上品ぶった仮面なんか、とっちまえ‼いつも以上に、たっぷり抱いてやるぜ、ミユキ!」



「そうよ、仮面かぶってたわよ、ずっと私…。でも今日はそれ、脱ぎ棄てる!いつも以上に激しく抱いて❣」



で…、二人はこの後、野獣のように愛しあうのだった。

そして…、溺れあうのであった…。

ココロでも、肉体でも、世間体とか諸々な見栄上でも~~!


要するに、このスペシャルデーにおける二人の年季極まった逢瀬は、時間にして約20分ちょっとではあったが、男からの言葉責めとやや乱暴なプレイも織り交ぜ、”これまで”の彼らとは明らかに中身は異質を施していた…。



実際、お互いに60となった高齢者の二人は、いつもより格段に激しい行為を終え、まるでフルマラソンを走破した後のように呼吸を整えていたのだから…。



そしてコトを済ませたあと…。

いつものように、ベッドに仰向けで並んで情事後の会話タイムとなったのだが…。
















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