第21話 影に怯える男

召喚者は苦しみ続けている。


魔王軍とのし烈な戦いを制して魔王を追い詰め、そして倒した。


数々のラノベ小説では、【爵位を頂き、王女もしくは聖女と結婚して幸せに暮らしましたとさ】

メデタシめでたしで終わる。


しかし、現実は爵位を貰っても、領地を経営する仕方も解らず、部下に騙されて殺された。

もしくは、言い寄る悪人を見抜けず、知らぬ間に犯罪に加担したとして指名手配に。


現実社会で一般人もしくは学生だった者に、突然管理者として人を領地をまとめる事が間違っている。


そう言う俺も、勇者として最前線で戦い切った末路が、部下に女に騙されて犯罪者として場末に逃げ込んでいる。


何処でどう間違えたのか?

今は、自分の影すら信じられずに怯えている。

哀れな召喚者。












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